NEC、高信頼性ミドルウェア製品体系「バルモウェア」を刷新

WebBCN (コンピュータ・ニュース社)2003年02月21日 10時02分

 NECは2月20日、基幹システムのオープン化の土台となる高信頼性ミドルウェア製品体系「バルモウェア」を刷新したと発表した。バルモウェアとは、(1)自律、(2)仮想化、(3)分散、(4)協調の4つの技術テーマを具現化するミドルウェアおよびシステム構築基盤を体系化したもの。今回発表した製品は、新規ソフト製品8種、強化製品18種となる。

 バルモウェア構想は、昨年10月に正式に発表し、今回は具体的な製品名と価格体系を明らかにした。完成度は、「第一段階で80%ほど完成した。来年度(04年3月期)いっぱいかけて、第二段階である自律機能や仮想化機能の基盤をつくる」(NECソリューションズ・依田康男 マーケティング本部長)という。

 これまで、NECが蓄積してきたミドルウェア群を、高信頼性が必要なオープンミッションクリティカル分野向けに製品化する計画で、今年度(03年3月期)に、ミドルウェアを製品化する予算として約100億円を投じて開発した。第二段階の開発に入る来年度は、さらに同等金額の開発予算を投じる巨大なプロジェクトだ。

 開発には、数百人規模のプログラマーを投入し、このうち約20%を中国など海外に発注した。NEC本体で販売するだけでなく、パートナーである日本ヒューレット・パッカード、日本オラクル、日本BEAシステムズなどを通じても販売する。一部、コンピュータベンダーにもOEM(相手先ブランドでの販売)供給する。

 NECソリューションズの伊久美功一執行役員は、「累計で数百億円投じた大規模な高信頼性ミドルウェアであるバルモウェア事業であるだけに、投資をすべて回収するには、あと数年かかる。とりあえず同事業で単年度黒字化を果たすのは04年度か、05年度になる見通し」と話す。

 バルモウェアは、国内だけの販売でなく、海外でも売れるよう、販路開拓を目指す。また、同ミドルウェアは、大規模基幹システムに耐えうる最先端の技術を結集したものだが、「部分的には、中堅、中小のシステムプロバイダでも、十分に活用できるもの」(依田本部長)だという。

 自律機能とは、多重障害が発生したときにコンピュータが自律的な動作することで、業務を停止させないようにする機能を指し、分散機能は、分散配置したハードやソフトを連携させ、統合化したコンピュータ環境を実現する技術。

 また、仮想化機能は、ハードやソフトの構成の複雑さを利用者が意識することなく利用できるもので、これら3つの機能や技術を統合し、協調的に動かすミドルウェアの計4つのグループから全体を構成する。

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