「オープンソース・ソフトウェアが普及するにつれて、Microsoftのオープンソース・ソフトウェアへの対応のまずさが浮き彫りになりつつある」。Microsoftの元幹部であるDavid StutzのMicrosoft批判に続き、Merrill LynchのアナリストSteven Milunovichが、同社のオープンソース対応への懸念を明らかにした。
Milunovichは2月19日、「LinuxやOpenOfficeなどといったオープンソース・ソフトウェアが普及し、人気が高まっているにもかかわらず、Microsoftはパソコンソフトウェア市場における多大な影響力をオープンソースの動きに調和させることに消極的だ」とするコメントを発表した。さらに、同社がインターネットを前提とした機能をWindowsやOffice製品に組み込んでいながら、インターネットを十分に活用していないと指摘している。「これまで培ってきたMicrosoftの社風を変えることの難しさが明確になった状態だ」(Milunovich)
Milunovichのコメントは、Stutzが先週ウェブ上で発表した声明と一致する。Stutzは最近まで、MicrosoftでShared Sourceプログラムに従事していた人物だ。Shared Sourceプログラムとは、オープンソースの動きに対応するためMicrosoftが1年前に発足したもの。顧客に対し、限られた範囲でWindowsやOffice製品等のソースコードへのアクセスを許可する。
Stutzはウェブ上で、「好ましくない部分を削除した」(Stutz)辞表を公開し、同社がパソコン中心のビジネスモデルに引き続き重心を置いていることを批判。また同社にとってオープンソース・ソフトウェアの発展が脅威となることを警告している。
顧客がオープンソース・プラットフォームの多様化の促進を求めているというのに、Microsoftは自社ソフトウェアに新しい機能を追加し続けている。Stutzによれば、「Microsoftは、このような時代遅れのアプローチに誤った期待をかけている」という。「Microsoftの手法が国際市場、行政機関、学術機関、そしてなにより開発者を引き付け、勢力下におさめられると思っているのだ」(Stutz)
「Microsoftは本当に革新的なのか」と、MilunovichはStutzよりさらに厳しい見解を示す。「IBMは経営刷新を行ったがゆえに成功した。Microsoftが革新を行ったといえるものはごくわずかで、その成功は運によるところが大きい」(Milunovich)
さらに同氏は「Microsoftの最近の四半期業績で、WindowsとOfficeが利益のほぼ全てを占めている」ことを指摘した上で、「オープンソース・ソフトウェアの品質が向上するにつれ、(WindowsとOfficeのような)ソフトウェアに代価を支払う理由は薄れていく。Microsoftはオープンソースの脅威に対応する策を打ち出す必要がある。そうでなければ、ソフトウェアから得ている利益を少しずつ失うことになるだろう」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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