富士通BSC、エンベデッドシステム分野の事業を強化

WebBCN (コンピュータ・ニュース社)2003年02月17日 10時14分

 富士通ビー・エス・シー(富士通BSC、米山幸彦社長)は2月14日、携帯端末などで需要が高まるエンベデッド(組み込み)システム分野の事業展開を明らかにした。

 同分野のソフト開発では、主に急拡大する情報家電やテレマティックス、無線LAN分野の受注を拡大するほか、DVDやマルチメディアの各プラットフォームへのソリューション提供などを強化する。米山社長は「この分野で競合社は今のところ見当たらない」と、同分野で今年度40億円の売り上げを05年度には100億円に伸ばすと強気だ。

 同分野の市場は、携帯電話やデジタルカメラ、カーナビゲーションなどの通信機器を中心に、情報家電や産業機械までのマイコン制御分野で急速に拡大している。現在、同社の同分野での事業は、携帯電話関連の受注が全体の約5割を占めるが、デジタル機器の発展によって「携帯電話は国内外に事業が拡大するほか、将来的には情報家電を中心に非パソコン分野がそれを上回る勢いで成長する」(石井恒好・取締役企画本部長)と予測する。

 同社では、同分野をトータルサポートするため製品企画支援から設計・開発、試験・検証の各サービスまでの一気通貫なサポート体制を整備。また、サービスビジネスの強化では、同社が保有する製品試験検証センター「Vラボ」を従来以上に活用し、技術者を100人増員して500人体制にする。このほか、M&Aを積極的に実施したり、BCL(中国子会社)の活用、知識を共有できる他社とのアライアンスなどを推進して事業を強化する考え。

 米山社長は「携帯電話は、端末製造会社の大手7社と提携し、安定した成長を続けている。情報家電の分野では、プラズマや液晶テレビが低価格になれば、ほかの情報家電の普及が進むと期待している。この分野のマーケットは広く、先行する企業も少ないので、当社がデファクトスタンダードを築きたい」と強調する。

富士通ビー・エス・シー

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