「MSがまたも妨害」、とオペラが非難

ニューズフロント(CNET Japan特約)2003年02月06日 15時31分

 米MicrosoftのMSN.comサイトがノルウェーのOpera SoftwareのブラウザOpera 7で正しく表示されないという問題が起きている。OperaはMicrosoftが故意に行なっている妨害行為だとして、同社を激しく非難している。

 Opera Softwareは米国時間2月5日、Microsoftが不完全なスタイルシートを提供しているとする意見を、ウェブサイトに掲載した。スタイルシートは、ブラウザ上でグラフィックやテキストの表示方法を決定するものだ。

 しかし、MSN.com はOpera 7だけではなく、実はMicrosoftのブラウザInternet Explorer(IE) 6でも正しく表示されないことがCNET News.comの取材で明らかになった。

 Microsoftは当初この事実を否認していたが、ブラウザごとに異なるスタイルシートを提供していたことを5日に認めた。同社マーケティング・ディレクターのBob Visseは、「さまざまなブラウザに違うスタイルシートとコードを用意しているのは、ユーザーの使い勝手を最も効果的にしようとするためだ」と説明している。

 Operaによると、IE 6用に提供されているページとスタイルシートを利用すると、IE 6だけでなくOpera 7でも正しく表示できるという。また、Operaに提供されているコードはIE 6とOpera 7の両方で、表示上の深刻な問題があるという。

 Operaは、MSNの表示トラブルによってOperaの名声が傷つけられたと主張している。Tetzchnerは「Opera 7に不具合があるかのような印象だ。テスターや腹を立てたユーザーからは厳しい批判が寄せられている」と述べた。

 Microsoftは2001年秋にも、OperaなどのIE以外のブラウザをMSNサイトから締め出したことで批判を受けている。

 Microsoftは抗議を受けてアクセス拒否を解除したものの、ここぞとばかりに、ライバルのブラウザが業界標準に準拠していないことを批判した。同社は、「他社のブラウザではMSNサイトの表示がわずかに劣る場合がある。Microsoftがきちんと対応しているHTML仕様に(これらのブラウザが)対応していないためだ」と述べた。

 なお、MicrosoftとOperaの間の軋轢よりも重大な問題は、標準仕様への準拠だという見方もある。

 Hesketh.comのCTOで、規格推進団体Web Standards Projectの運営委員であるSteve Champeonは、次のように述べている。「MicrosoftがOperaを破滅させようとしているかどうかは、真の問題ではない。問題は、Microsoftが時代遅れのモデルに依存していることだ。旧モデルへの対応は莫大なコストがかかる。この旧モデルこそ、われわれがここ5年間、超えようととしているものなのだ」

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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