ブッシュ大統領、テロ対策にデータベース構想

 Bush米大統領は米国時間1月28日、上下両院合同会議で行った一般教書演説の中で、テロ対策のためのデータベース構築を目的とするTTIC(Terrorist Threat Integration Center)を設立する構想を発表した。同センターでは、全米の警察や国内外の情報機関から情報を集め、分析を行うという。個人情報保護を巡って、早くも物議を呼んでいる。

 「米国政府は国民を守るために、最大限に情報を把握しなければならない。そしてその情報をもとに、適切な人材を適切な場所に配備する」(Bush)

 しかし、Electronic Privacy Information Centerの相談役のDavid Sobelは、「TTICは米国市民の個人情報の宝庫となるだろう。だが、大統領が発表した構想は、情報の制限について何も触れていない」と懸念する。

 TTICの責任者は、CIA長官の直属の部下となる。TTICはFBIをはじめ、新設された米国土安全保障省と協力体制を敷き、政府が入手可能な"全ての情報"にアクセスできるという。収集したデータの中には、米国家安全保障局(National Security Agency)や米国防省諜報庁(Defense Intelligence Agency)といった政府機関の情報のほか、テロリストの最新情報などが含まれる。

 「TTICにより、テロに関する情報を統合し、関係政府機関と連携して包括的な分析を行い、米国政府や地方政府に適切な情報を提供することが可能だ」(John Ashcroft米司法長官)

 米政府は2001年9月の同時多発テロ以来、全米の警察や情報機関と緊密に情報交換を行ってきた。また、米国議会はUSA Patriot Actを採択し、情報交換の境界の多くを撤廃した。

 TTICの全容は明らかにされていないが、Center for Democracy and Technologyのエグゼクティブ・ディレクターのJim Dempseyは次のように指摘する。「同センターは、FBI、CIA、NSAに命じて誰かの個人情報を集めることもできる。これは、われわれが経験したことがない規模で個人情報の集中管理が行なわれることを意味する」

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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