富士通、日立製作所、NEC、米Oracle、米Sonic Software、米Sun Microsystemsで作るグループが、Webサービスにおけるビジネスアプリケーションの信頼性向上を図る仕様「Web Services Reliability(WS-Reliability)」を米国時間1月9日、公開した。
WS-Reliabilityは、異なる2つのアプリケーション間においてメッセージ交換の信頼性を高める。例えば、Webサービスで発注を行う際、メッセージは正しく送信されたか、正しく機能したか、もしくは送受信に失敗したか―などを確認する。6社は、WS-Reliabilityが標準仕様として広く支持されることを望んでいる。仕様は数週間のうちにも、ある標準化団体に提出する予定という。ただし,具体的な団体名については明らかにしていない。
WS-ReliabilityはSOAP(Simple Object Access Protocol)をベースとする。SOAPとは、Webサービスの基盤プロトコルの1つで、XML (Extensible Markup Language)文書の転送方法を規定している。6社によると、WS-Reliabilityの特徴の1つに柔軟性の高さがあるという。これにより、「様々な通信プロトコルを利用できるようになる」(6社)。
Webサービス技術の普及には、メッセージ交換の信頼性向上が鍵を握る。このことは、とりわけ、異なる企業・団体間における非同期通信環境で重要となる。これまでのビジネスアプリケーションは、リクエスト/レスポンス形式の通信に頼ってきた。しかしこれには同期性が求められる。つまり、同じプロトコル、同じ開発モデルで作られたアプリケーション同士の通信に限られてしまうのだ。
米ZapThinkのアナリスト、ロン・シュメルツァーはWS-Reliabilityについて次のように説明する。「WS-Reliabilityは、Webサービス普及の足かせとなっている問題の1つを解決すべく作成された」。同氏によれば、Webサービスにはこのほか、セキュリティー、マネジメント、トランザクションといった分野で解決すべき問題が残っているという。
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