米かみそりメーカ大手のGilletteと米小売大手Wal-Mart、英国のスーパーマーケット・チェーンTescoの3社が、ICチップを使って商品の在庫管理をリアルタイムに行う“電子商品棚(Smart Shelf)”技術の導入で手を組んだ。
米Gillette、米Wal-Mart、英Tescoは、シェーバーなどの小売商品に組み込んだICチップが放つ電波を読み取ることができる、電子商品棚(Smart Shelf)を導入する計画である。
Gilletteによると、この技術は、陳列してある商品を専用の商品棚がスキャンし、商品情報をコンピューターに送るというもの。小売店は、品切れや万引き被害といった情報をリアルタイムに入手することができる。
Wal-Martは手始めに、マサチューセッツ州ブロックトンにある同社の店舗で、Gillette製品の商品棚を使って実証試験を行う。さらに同社によると、同様の試験を米Procter & Gamble(P&G)の化粧品でも実施する計画があるという。さらにTescoも、詳細は明らかにしてないものの、Gillette製品で試験を行っているという。
Smart Shelfの技術は、食肉の流通を追跡するアプリケーションなどに使用されているが、同技術を使った大規模な試験を大手小売業者が実施するのは今回が初めてとみられる。この試験によりコスト削減効果が証明されれば、同技術のさらなる導入が期待される。
なおSmart Shelfに関連する別の取り組みも進んでいる。Gilletteが1月6日に、いわゆるRFID(radio frequency identification)と呼ばれる認証タグ5億個を購入すると発表したのだ。この認証タグには特別なICが組みこまれており、これをスキャナーにかざすと、情報が無線でコンピューターに自動送信される。このRFIDの開発は、マサチューセッツ工科大学の研究プロジェクト、Auto-ID Centerが行っている。
無線を使った認証技術は今のところ用途が限られている。例えば自動車の鍵や高速道路の料金所、クレジットカード、牧場における牛の管理などである。
しかし、消費者向けの小売製品にこうした技術が導入されることについては、問題がないわけではない。その1つはコストの問題である。あるタグ開発者によると、タグ1個につき最低でも30セントのコストがかかるという。また、個人消費者が購入するあらゆるアイテムに認証タグが組み込まれた場合、プライバシーの問題も出てくる。
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