米マイクロソフトと米司法省の独禁法訴訟で、米連邦地方裁判所が11月に和解案を承認したことを不服として、反マイクロソフトの立場を取る2団体が上訴に向けて動き出した。
米国時間1月2日に開示された裁判所の書面によると、新たに上訴のための介入許可を申請したのは、Consumers for Computing ChoiceとOpen Platform Working Groupの2団体だ。
両団体は、裁判所がさらなる制裁をMicrosoftに与えるよう促したいとしている。Microsoftと米司法省の独禁法訴訟では、”消費者に利益をもたらしている”として、米連邦地裁のコリーン・コラーコートレイ判事が和解案を大筋で承認する決定を下した。控訴裁判所(高裁)で修正されない限り、この判決が最終決定となる。
独占禁止法の専門家で、米ボルティモア大学法学教授のロバート・ランデは、介入許可を申請している団体の行動には問題があると指摘する。「上訴するためには、審理に値するだけの被害が存在しなくてはならない」と説明。「彼ら(介入許可を申請した団体)の論理では、その被害が何であるかすら推測できない」
コラーコートレイ判事の判決に対して12月には、Microsoftに批判的なComputer and Communications Industry AssociationとSoftware and Information Industry Associationの2団体が、今回と同様に介入許可を申請している。両団体は米Sun Microsystemsや米Oracleが資金を提供している。なお、独占禁止法訴訟の和解を承認する際に、米連邦判事はタニー法により「公的な利益」を考慮しなければならない。
Microsoftと米司法省の独禁法訴訟の和解案審査がタニー法に基づき行われた際、今回申し立てを行ったConsumers for Computing ChoiceとOpen Platform Working Groupの両団体は判事に承認を拒否するよう求めたが、それは認められなかった。同団体は、Microsoft製以外のOSにもMicrosoft Officeを導入することができる強制的なライセンスが必要だと主張し、Microsoftが決定に従っているかの監視と、長期に及ぶ裁判所の監督が必要だと訴えていた。
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