コンテンツマネジメントソリューションの開発や販売、保守を手掛けるジゾンは10月26日、「HeartCore_SaaS」を10月から販売開始したと発表した。これは、「HeartCoreファミリー構想」に基づいた中堅企業向けのソリューションだ。
HeartCore(ハートコア)は、世界で2800社、日本国内で110社を超える導入実績があるエンタープライズ向けCMSで、コンテンツ管理機能のみならずコミュニティ機能、コマース機能、マーケティング機能の4機能をオールインワンでパッケージングしているのが特徴だ。また、Java版やPHP版、.NET版などが用意され、稼働環境やプラットフォームを問わない。
代表取締役兼CEOの神野純孝氏は、パワーポイントなどオフィスアプリケーションを操作する感覚で編集できることやSEO、LPO効果によるマーケティング費用の削減期待などから「HeartCoreは大手の上場企業を中心に導入が進んでおり、多いときは月間5、6社のペース。また販売パートナーも増えており、契約締結待ちも含めて35社になる見通し」と、順調な展開をアピール。そして、「いままではライセンスを販売してサーバに導入してもらうモデルだったが、今回SaaSということでクラウドサービスでHeartCoreを利用してもらい、導入や運用のコストを抑えたモデルを構築した」と語った。
HeartCoreファミリー構想では、HeartCore_SaaSを当初「HeartCoreホスティングEdition」と呼んでいたが、「ホスティングはいろいろな要素を含んでしまうので、SaaSの方がわかりやすいだろうということで名称を変更した」(取締役営業本部長の坂寄嗣俊氏)と言う。
HeartCore_SaaSは、クラウド上のシステム構成により大きく4種類ある。
顧客は、自社サイトの要件に合った構成を選択し、さらにIaaS/PaaSプロバイダ(クラウドホスティングサービス)をジゾンが検証した事業会社(現在6社)から選び、自社に最適なクラウド環境を実現する。販売価格は初期費用として80万円から、月額費用として10万円からとなっている。
坂寄氏は「車を例にとると、自家用車を買って一般道や高速道路を走るとき、車自体を変えることができない。これが、いままでのライセンス販売の考え方だったが、今回のSaaSでは、高速道路を走るときはスポーツカーに乗って、町中を走るときはハイブリットのような経済的な車に乗るというように、自由自在に下の2つのレイヤー(IaaSとPaaS)をコントロールできるようになる」と特徴を示した。
さらに、ジゾンはビジネス・アーキテクツと共同開発した新機能「UaaS(UseWare as a Service)」を2011年1月末から販売を開始する予定だ。これはHeartCoreのオプション(製品名は「Use Wareサイト・テンプレート」)として提供され、価格は未定。
UaaSは、HeartCoreが多機能CMSであるがゆえに実際の運用で使い勝手が複雑になる部分を解消するための機能だ。HeartCoreの管理画面を利用することなく、コンテンツ制作者は自分専用に割り当てられたシンプルな編集画面(ユーザーインターフェース)から操作することでコンテンツの作成や編集ができる。ビジネス・アーキテクツが有するさまざまなページテンプレートも利用でき、あらかじめ用意されたサイトの部品を選んでいくだけで基本的なページ構成を作ることも可能だ。
坂寄氏は「機能が豊富ということは、裏を返せば使いこなすことが大変だということ。これは既に導入済みの100数社の中からもご意見をいただいている部分でもある。つまり、使いこなすまでに時間がかかったり、工数がかかったりするので、このハードルを低くするためにUaaSの構想が始まった」と説明した。
ジゾンでは、今回のサービスの発売により、SaaSを含めた今下期の導入社数を30〜40社、売上金額3億円を見込んでいる。また、中小企業向けの「HeartCore Lite(仮称)」は2011年1月以降に展開する予定だ。
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