コンピュータの画面上におけるウェブページの描画作業をハードウェアで加速させる技術の分野で、競争が過熱している。この点において、Mozillaがこれまで「Mac OS X」向け「Firefox」を最優先にしてきたとは言えないが、どうやらMac向け「Firefox 4」にもこの機能が搭載されるようだ。
「Windows」は、Mac OS Xより広く使われているばかりでなく、Microsoftがハードウェアアクセラレーションを利用した「Internet Explorer(IE)9」の取り組みを積極的にアピールしているOSでもある。そのため、Mozillaにとって初めてとなるハードウェアアクセラレーションの取り組みが、Windowsから始まったのもそれほど驚くことではない。だがMozillaは米国時間9月28日、Firefox 4関連の重要な期限の直前になって、Mac版に一部のアクセラレーション機能を盛り込むことを決定した。
次期ベータ版の「Firefox 4 Beta 7」は、新機能が追加可能な最後のベータ版となる予定だ。この仕様凍結ステージは、Firefox 4を予定通り2010年にリリースする上で、十分なデバッグ作業の時間を取るために不可欠なものと言える。
Mac版のアクセラレーション機能が締め切りに間に合うかは不透明だ。Mozillaのプログラマーたちはこの機能を開発者向けバージョン(ナイトリービルド)に組み込み、さらにテスト回数を増やすことにした。さらに今週の間に再度相談を行い、今後の進め方を決定する方針だ。
Windows版Firefoxには、Microsoftのグラフィックスインターフェース「Direct3D 9」を利用したハードウェアアクセラレーション機能がいくつか含まれており、「Direct3D 10」のサポートも今後予定されている。一方のMac版では競合するインターフェースOpenGLを採用する。Windows版では、OpenGLのサポートはDirect3Dと比べて不十分だ。
ハードウェアアクセラレーション機能には、他の利用方法もある。Firefoxでは、別のWindows用インターフェース「Direct2D」の採用にも取り組んでいる。Direct2Dの採用にはさまざまなメリットがあるが、その1つにハードウェアアクセラレーション機能を用いたフォント表示の向上がある。Direct3Dと2Dはウェブページの描画において使用されるステージが違い、Direct2Dの方が後で用いられる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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