ソフトウェアメーカーのNovellは米国時間3月20日、ニューヨークに本拠を置くヘッジファンドElliot Associatesによる、約20億ドルでの一方的な買収提案を拒否するとの声明を発表した。
「当社の取締役会は、独立の財務顧問および法務顧問による検討を含め、この提案について慎重に検討した結果、Elliotの提案は不十分なものであり、当社の販売力と成長の見通しを過小評価しているとの結論に達した」とNovellは述べた。
Elliot Associatesは、すでにNovellの株式の8.5%を保有しており、Novellの取締役会に宛てた3月2日付けの書簡で、1株あたり5.75ドルの現金で買収することを提案していた。この価格は、買収提案が行われた日のNovellの終値を21%上回る額だった。
Elliot Associatesはまた、Novellの株主に宛てた書簡では、Novellにはライフラインが必要だと主張し、その理由として「買収と新戦略によって従来の分野からの脱却を図ろうとするNovellの取り組みは、おおむね失敗に終わっている」との見方を示した。米CNET Newsでブログも執筆しているMatt Asay氏に言わせれば、Novellは、成長軌道にあるLinux事業を大いに活用することで、衰退傾向にある従来の事業を下支えしようと苦心しているのだという。
Elliot Associatesの申し入れを受けて、買収額の引きあげを期待する投資家たちの動きにより、Novellの株価は28%上昇した。
Novellは20日に発表した声明の中で、同社取締役会はNovellの株主にさらに高い価値を提供するために尽力しており、今後新たにさまざまな取り組み、すなわち株式買い戻しや配当による株主への資本の払い戻し、戦略的な協力や提携、合弁事業、会社の売却などについて検討していくと述べている。しかし、今後どのような契約や取り引きが行われるかについて確かなことは言えないと、Novellは指摘した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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