Microsoftはウェブ標準の分野において、再びコンピューティング業界の他社と関わりを持った。しかし、同社の復帰は摩擦を伴うものだった。
協力関係にある多くの企業、特にMozilla、Opera、Apple、Googleは何年もの間、HTMLとさまざまな関連テクノロジを刷新し、アプリケーションやより高度なサイトの基盤としてのウェブを強化する取り組みを続けている。Microsoftも今ではその取り組みに参加しているが、来るべきHTML5の詳細に関する話し合いにおいて、Mozillaや標準策定プロセスの中心人物と常に意見が一致しているわけではない。
争点の1つとなっているのは、World Wide Web Consortium(W3C)とWeb Hypertext Application Technology Working Group(WHATWG)という2つの団体が関与していることだ。また、新しいウェブテクノロジがコンセプトから標準化、ブラウザでのサポートへと発展するプロセスも争点となっている。
基本的に、Microsoftは今日のウェブ標準の自由な慣習とは相容れない、形式を重視する従来型のプロセスを好んでいる。既存のプレーヤーとMicrosoftは今でも互いの考え方に慣れようとしている段階だ。
企業や組織が標準化団体を通じて影響力を得ようとすることはよくあるが、それはHTMLの場合も例外ではない。Microsoftの「Internet Explorer(IE)」担当ゼネラルマネージャーであるDean Hachamovitch氏はWHATWGの解散を求めたわけではないが、W3Cのワーキンググループが活動の中心だというMicrosoftの見解を明確に示した。
Hachamovitch氏は「W3CがHTML5標準化団体だ」と述べ、Wikipediaの標準化団体に関する記事にWHATWGの名前がないことをその根拠とした。
ただし、Hachamovitch氏の考え方は、Ian Hickson氏の見解とはやや異なるものだ。Hickson氏はW3CのHTML5仕様の策定者で、WHATWGに参加しているほか、Operaの元従業員で、現在はGoogleで働いている人物だ。WHATWGは、W3Cが過去に「XHTML 2.0」と呼ばれる互換性のないテクノロジを支持してHTMLを発展させることに反対する決定(その後、撤回されて現在に至っている)を下したことを受けて創設された団体だが、Hickson氏はWHATWGにはまだ役割があると考えている。
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