カリフォルニア州マウンテンビュー発--Googleは次の巨大エンタープライズソフトウェア企業になりたいと考えている。
本当のことを言えば、Googleはあらゆる分野において次なる巨大企業になりたいと願っている。米国時間4月12日に標的となったのは、芽生え始めたウェブベースのエンタープライズソフトウェア市場だった。Googleは、400名の最高情報責任者(CIO)とテクノロジマネージャー、そしてウェブキャストでのさらに多くの聴衆に、クラウドコンピューティングは未来というより現在であり、Googleはこれを実現させることができると納得させるため、全力を尽くした。
エンタープライズコンピューティングは、ここ何年も注目されていなかった。実際、著書もあるTCG AdvisersのGeoffrey Moore氏が聴衆に向けて説明したところでは、エンタープライズコンピューティングはY2Kの谷間で大騒ぎした後、10年間基本的に休んでおり、その間コンシューマー志向の企業が、モバイルデバイスへの移行とソーシャルネットワーキングの成長により、世界を変えていたという。
その結果、企業の従業員たちは、業務のやり方についてさまざまな基準を持つようになった。Moore氏は「ITイノベーションのほとんどは(これまでは)、エンタープライズから始まり、コンシューマーに進んでいる。今回はコンシューマーからエンタープライズに向かって進んでいる」と語る。
これは、自社においてテクノロジの方針を設定してきたCIOにとって、理解しづらいことだ。Googleのエンタープライズ部門プレジデントDave Girouard氏は、「クラウドコンピューティングには、コンピュータの歴史におけるあらゆる転換にもまして、人々を駆り立てる何かがある。それは、物事がどのように行われるかを根源から覆すものだ」と語る。
そして、覆すことほど、Googleが楽しんで行うことはない。Googleはここ数年、同社の「Gmail」と「Google Docs」スイートを手がけており、ある世代のITマネージャーにおいて、従来の「積み重ねていく」エンタープライズコンピューティングから、ウェブ全体に分散されたエンタープライズコンピューティングに大きく移行する準備ができているということに、多くを賭けている。
Googleの意気を鈍らせたのは雨だけだった。カンファレンス参加者は、しゃれたHerman Miller製のいすに腰掛けて、5分間のトレーニングセッションを受けた。Googleのメインオーディトリアムとカフェテリアはこの日、CIOたちに料理をふるまうため閉鎖されていた。参加者は全員、「Android」搭載携帯端末「Nexus One」を手に家路についた。
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