「Google Books」に関する修正和解案は海外の反対者たちを静かにさせるかもしれないが、反対者たちは米国時間11月16日、この和解案は依然として、著作権者が不明の絶版書籍に対して商業化の独占権をGoogleに与えるものであり、また消費者のプライバシーも保護できていないと述べている。
Googleは、人々がオンラインで書籍を閲覧したり検索したり、あるいは電子版を購入したりできるよう、図書館や出版社の目録にある書籍のスキャンとデジタル化を進めている。同社は、著作権で保護されている書籍について出版社と契約を結び、絶版書籍のデジタル化には権利所有者への支払いを申し出ており、販売からの売り上げは作家に分配するとしている。
この和解案は、Googleの書籍スキャン計画に対して2005年に米作家協会(Authors Guild)が起こした著作権侵害訴訟を解決しようとするものだ。
主な争点となっているのは、いわゆる「孤児作品」の使用権だ。これは、著作権所有者が不明である書籍や、権利所有者が名乗り出ていない書籍で、両者を合わせると利用可能な書籍の半分以上に相当すると推定されている。
この修正和解案は11月13日夜、ニューヨークの連邦裁判所に提出された。これまでの和解案がGoogleに競争上の不当な優位性を与え、著作権法に違反するとした、米司法省の懸念に対処しようとしている。
この修正案では、著作権所有者は、著作権を以前よりもよく管理できるようになる。前回の案で、作家や出版社の代表に非営利団体Books Rights Registryの理事会の席が与えられ、この団体が著作権料の支払いに対して責任を持ち、著作権者が不明の作品からの収入を最長10年間保持することになっていた。今回の修正案では、権利を申し出ていない著作権所有者を探すことが同団体に義務づけられ、著作権者が不明の作品からの収入は、団体の運営や判明している著作権所有者への分配に当てず、著作権所有者を探し出すことに使われることになる。
修正和解案は、Googleが米国以外の国々の政府から受けている著作権に関する非難を和らげるかもしれない。ドイツ、フランス、中国などの作家および出版社のグループは、Google Booksの計画に反対を表明している。それに対応して、Googleや米作家協会などの関係者は今回の和解案で、米国で登録された絶版書籍か、英国、オーストラリア、カナダで出版された絶版書籍のみを対象とした。
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