ニューヨーク州検事総長が米国時間11月4日に提訴した独占禁止法違反の訴訟は、IntelとDellの長年にわたる癒着を主張するものだ。
ニューヨーク州検事総長のAndrew M. Cuomo氏は、IntelがPCメーカーにリベートを支払い、不正に独占力を維持しAdvanced Micro Devices(AMD)がPCメーカーとのビジネスを獲得するのを妨げたとして、Intelを連邦独占禁止法違反で提訴した。
2009年になって起こされた同様の訴訟では、DellやHewlett-Packard(HP)などのPCメーカーに違法なリベートを支払ったとして、欧州委員会がIntelに対して14億5000万ドルの制裁金を科している。AMDも2005年6月に起こしたIntelに対する訴訟で同様の主張をしており、この訴訟は2010年3月に審理が始まる予定だ。
さらに、Intelに対してこのように申し立てる重大な訴訟は、これが最後ではないかもしれない。報道によれば、米連邦取引委員会(FTC)もIntelを告訴するとみられている。
Intelの広報担当者であるChuck Mulloy氏は、11月4日のニューヨーク州検事総長の訴状について次のように語っている。「4年半前にAMDが起こした訴訟と同じである。欧州連合が問題にした訴訟とも同じものである。新たに発見された重大なる証拠などない。低価格および革新性の強化から常に恩恵を受けてきた消費者にとっても、公正を追求する上でも、今回の訴訟判断は悪影響を及ぼすものとなっている」
訴状では、Intelから多くの「施し」を受け取ったとしてDellのみを対象にしているが、これはAMDによる2005年の訴訟と同じだ。今回の訴訟では、IntelとDellの経営陣の間の、しばしば生々しく描かれるやり取りを引き合いに出しつつ、IntelがDellに対して合計数十億ドルにのぼる巨額のリベートを、少なくとも数年間にわたって支払っていたと主張している。ほかにはHPとIBMも訴状で名前が挙がっているが、検事総長の主張では、Intelの重大な行為の中でDellが中心的な対象となっている。
Dellの広報担当者であるDavid Frink氏は4日、「われわれはIntelとAMDの両方のチップを採用しており、顧客に選択肢を提供している」と述べた。Dellは2006年5月にAMDチップを初めて採用するまで、Intelプロセッサのみを使用していた。
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