ある時代における失敗から注意をそらす一番良い方法は、完全に異なる新しい時代のスタートを宣言することかもしれない。
Yahooは企業として大規模な転換期の真っただ中にいる。同社の検索資産をMicrosoftに売却する取引を進めており、その見返りとして、Yahooのページ上での検索が生み出す売り上げのかなりの部分を受け取ることになる。しかし、Yahoo社内の一部の人々は、同社が検索市場に見切りをつけようとしているという話に若干困惑しているようだ。
Yahooのバイスプレジデント兼検索マーケティング担当ジェネラルマネージャーDavid Pann氏は米国時間10月6日、ブログ記事の中で、Yahooの検索広告における拡充を強調しつつ、次のように語っている。「Yahooがこの数カ月に経験したすべての出来事に関して、わたしがいつも受ける質問の1つは『Yahooはまだ検索に関心を持っているのか』だ。『もちろんだ』というのがその答えだ」
問題は、Pann氏が語っていることが、検索(ウェブを巡回し、結果にインデックスを付け、クエリに対してデータを照合する事業)というよりむしろ、検索結果の表示方法だということだ。検索結果の表示とは、検索クエリによって生成されたデータを、役に立つような方法で巧みに並べ替える事業である。YahooがMicrosoftと交わした契約では(これが規制当局の審査を通過すると仮定して)、MicrosoftがYahooのウェブページにおける独占的な検索結果プロバイダーとなるが、その検索結果の表示方法をコントロールする権利はYahooが保持する。
これは、Yahooの最高経営責任者(CEO)Carol Bartz氏の検索市場に対する見解の現れだ。同氏は最近、Yahooの検索に関する計画と、Hewlett-Packard(HP)やDellなどのPCメーカーが共通のIntelチップを中心に異なる製品を構築するやり方とを比較し、検索のコアビジネスはおそらくコモディティであって、ユーザーをひきつけるのは意匠を凝らしたパッケージングだとほのめかした。
しかし、この類推は検索のような比較的新しい市場に当てはまるだろうか。1つには、検索エンジンを乗り換えるコストは、PCの買い換えに比べてはるかに安い。無料の魅力には逆らえない。また、バックエンドにおけるブレークスルーが終わりに近づいているとするのは、多数の検索業界のベテランたちに対し失礼ではないだろうか。何と言っても、Advanced Micro Devices(AMD)はほぼ5年ごとに、Intelに打撃を与えるものを何とか考え出している。それも成熟した市場においてだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力