米Yahooの長い悪夢は終わった。何年にもわたる、うわさ、交渉、どんでん返しの末、ついに検索事業をMicrosoftに押し付けた。今やYahooがするべきことは、次に起こることを見極めることだけだ。
Yahooの新時代は、最高経営責任者(CEO)のCarol Bartz氏が、同社の巨大なウェブサイトネットワークでの検索を運用する権利をMicrosoftに譲るという文書に署名した瞬間に始まった。その見返りに、YahooはMicrosoftの「Bing」が生み出す売り上げの88%を受け取る。今やYahooは、まず何よりもメディア企業であり、できるだけ多くの人を自社のサイトに呼び込んで、そのページ上で利益率の高い広告を販売することが事業となる。
この戦略は、インターネットでは必ずしもうまくいっていない。広告主が潜在顧客に到達する方法としては、検索広告の方がはるかに効果的であり、広告主はそれに応える形で、適切な検索結果と有効な広告の最良の組み合わせを提供する企業、すなわちGoogleに、広告費をつぎ込んできた。
しかしBartz氏は、YahooにはGoogleと直接対決する能力も意思もないと決めたようで、同社は最も得意とすることに注力し、テクノロジは他社にまかせるべきだと論じている。これは、Yahoo社内で検索テクノロジに携わる多くのエンジニアにとっては多少の驚きだったかもしれないが、Bartz氏はこの8カ月間、Yahooに関する意向を隠してきたわけではなかった。
Bartz氏は6月、YahooがGoogleやMicrosoftとどう異なるのかということについて議論する中で、「われわれは検索企業ではない」と明言した。同氏がこの区別を公式のものとした今、Yahooはどんな企業になったのだろうか。
5月のD: All Things Digitalカンファレンスで、Bartz氏は「Yahooは人々が適切で脈絡のある情報を見つけることができる場所だ」と述べている。検索提携後のYahooの構想を抱いていたのは明らかだ。「それはニュースであり、スポーツであり、ホームページやメールだ。これは素晴らしい場所だ」(Bartz氏)
それはつまり、Yahooはコンテンツ企業だということだ。既存のユーザーがより頻繁にサイトを再訪し、新しいユーザーをサイトに引き込むようなコンテンツやサービスを、いかにして生み出すかということに焦点を合わせることになる。米国時間7月29日、Yahooはより大きくより紫色のAOLになってしまったのではないかと思い始めた人もいる。
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