編集部注:この記事には、映画「ターミネーター4」の一部のシーンに対する記述が含まれています。同映画を見る前にはご注意ください。
サンフランシスコ発--突進するけん引トラックが止まっている車に激突し、その車がうまい具合に回転しながらトラックの後ろに飛ばされるというシーンを撮影しようとしているが、下からの砲弾によって空中に舞い上がった車が、実際にはけん引トラックのはるか上に飛び上がってしまうという現実に直面している場合、映画制作者はどうすればよいのだろうか。
「ターミネーター4」(T4)は第1作公開から25年目を迎えたシリーズの最新作だ。この映画を制作しているなら、Industrial Light & Magic(ILM)の視覚効果の専門家に助けを求め、この問題を解決してもらえばいい。
ILMの視覚効果チームは、実際にこの問題を解決した。米国で米国時間5月22日に公開されたこの映画を見る人は、衝突によって車が舞い上がり、確かにけん引トラックの後ろに回転しながら飛ばされていくシーンを目撃することになるだろう。現実の世界では、実際には車は高く真上に飛んだことを観客が知ることはない。
これはなぜ重要なのだろうか。T4で視覚効果スーパーバイザーを務めるILMのBen Snow氏(映画「キング・コング」「アイアンマン」などでも同じ肩書)によれば、これはあらゆる点で映画のストーリーと関係しているという。このシーンでは、けん引トラックを運転する人物が、後ろから猛スピードで追いかけてくる「Mototerminator」というオートバイ型の高速殺人ロボットを転倒させようとしている。しかしMototerminatorは知能の高いマシンで、そう簡単には倒せない。
したがって、この車が爆発するシーンで重要な点は、車がけん引トラックの上を飛び越えて落ち、Mototerminatorの行く手を遮ることで、この邪悪なロボットに、瞬時に動作する技術を披露するチャンスを与えることだったとSnow氏は語る。そして、この高く飛び上がる車を、スクリーン上では脚本が求める通りのものに見せるためには、非常に多くの視覚効果が必要だった。
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