ハンドセット大手Qualcommは高性能チップ「Snapdragon」の準備を進め、Intelに真っ向から勝負を挑もうとしている。
Qualcommの3年にわたる取り組みである、同社初のスマートフォン向けギガヘルツクラスプロセッサの設計は、2009年夏に実を結ぶ。そしてQualcomm(本拠地はカリフォルニア州サンディエゴ)が主張する数字で製品がロールアウトすれば、Snapdragonは、突出した携帯電話チップメーカーとしての同社の地位を固めるとともに、ネットブックにおけるIntelの独占状態に挑戦することも可能にするだろう。
筆者は先々週、Qualcomm CDMA Technologiesのプロダクトマネジメント担当バイスプレジデントであるMark Frankel氏と、Snapdragonの今後の可能性および小型デバイスにおけるIntelの勢力拡大について話した。
Frankel氏はSnapdragonについて「ビジネス面およびデザインウィン面では、2008年第4四半期から増加の一途だ」と語った。
Snapdragonベースのスマートフォンを発売するのは、東芝が初めてとなる。「東芝は2009年夏に発売を予定している。これまでに発表されたSnapdragon『ハード』デバイスはこれだけだが、2009年を通じてさらに多くのデバイスが登場する予定だ」とFrankel氏は言う。
東芝の「TG01」は「Windows Mobile」ベースの携帯電話で、2月に発表された。1GHzのSnapdragon(別名Qualcomm「QSD8250」チップセット)を採用し、厚さはわずか9.9mm(これに対しAppleの「iPhone」は12.3mm)で、「Windows Mobile 6.1」が稼働し、4.1インチWVGA 800×480タッチスクリーン(iPhoneは3.5インチ)を備え、3G HSPA、Wi-Fi、GPS、Assisted-GPS(A-GPS)をサポートする。
特にAcerとASUSもSnapdragonベースの製品を発売するとみられている。
Qualcommはここにたどり着くまでに長い時間がかかった。2006年11月、当時Qualcommのマーケティングおよびプロダクトマネジメント担当シニアバイスプレジデントだったLuis Pineda氏はZDNet UKに対し「Snapdragonをベースにしたチップセットは2007年末に向けて提供を開始し、翌年には製品が登場するだろう」と語っていた。これはもちろん実現しなかった。
しかしながらQualcommは携帯電話向けコアチップの主要プロバイダーとして長年、注目度の高い電話機にチップを提供してきた。Googleの「Android」OSを搭載した「T-Mobile G1」もその1つで、Qualcommのプロセッサを採用している。
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