Advanced Micro Device(AMD)の最高経営責任者(CEO)であるDirk Meyer氏は米国時間2月26日、電話インタビューで、AMDの競争力、Intel、そして小型軽量ノートPC向けプロセッサへ新たに焦点を合わせることについて語った。
Meyer氏は、まず同社製造事業の分社化契約の最終決定について述べた。計画どおり、AMDはチップ設計会社となり、製造事業をThe Foundry Company(仮称)と呼ばれる新しい事業体に分離する。この新規製造会社はAMDが34.2%を保有し、残りをAdvanced Technology Investment Company(ATIC)が保有する。ATICは、アラブ首長国連邦のアブダビ政府が完全所有する投資企業である。
「取引を成立させるための前提条件をすべて満たした。月曜日(3月2日)までに取引を完了する」(Meyer氏)
分社化の要点の1つとして、米国ニューヨーク州サラトガ郡に新しい製造工場を開設する。Meyer氏は「今でも2009年夏に工場の建設に着手する計画だ。操業を開始したら、米国最先端の半導体製造工場の1つになるだろう」と言う。
Meyer氏は、AMDの投資家にとってこの分離が意味することについて説明した。「AMDの株主が所有することになるのは、製品会社としてのAMDだ。製品会社AMDはThe Foundry Companyの出資者利益を得ることはあるだろう。しかし、The Foundry Companyの事業への資金提供は、The Foundry Companyの貸借対照表に計上されることになる。またAMDには、さらなる出資をしてThe Foundry Companyの事業に資金を供給するいかなる義務もない」
要するに、この分離によってAMDの資金を節約し、収益性が高まるということだ。「これまで、われわれはシリコンの研究開発やウエハ製造工場に投資する必要があり、これが重荷となっていた。今回の取引によって、この両方の重荷から抜け出せる。ウエハ製造工場の生産設備に年間10億から20億ドル投資しなければならなかったが、もうその必要はない」とMeyer氏は言う。
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