Googleが2007年に初めて開催した開発者の祭典「Google Developer Day」の第2回が、2008年6月10日にパシフィコ横浜で開かれる。今回のGoogle Developer Day 2008は、まず「Google IO」という名前のフラッグシップ的なイベントがサンフランシスコで開催され、その後、他の国々に回っていく。嬉しいことに、サンフランシスコ以外では日本が最初に開催されることになるという。
2007年はGoogle Gearsが発表されて大きな話題となったが、Google Developer Dayのコンテンツ編成を担当するGoogle ビジネスプロダクトマネージャーの石原直樹氏によれば、同社はDeveloper Day 2008に先立って、新しいAPIを公開する準備を進めているところだという。
詳細は明かされていないが、イベント前にこれまで公開されていなかったAPIが登場する予定だ。イベントのプログラムにも組み込まれており、当日の基調講演あるいはセッションで詳しく紹介されることになる。
Googleはこの1年間で多くの製品やAPIを公開してきた。2007年のGoogle Gears以降だけでも、OpenSocial、SocialGraph、Androidなどがある。
ウェブアプリケーション、ウェブのソーシャル化、モバイルなど分野も増えてきており、とても的を絞りきれないが、あえて今回のイベントにおける注目株を挙げるとすれば、「Google App Engine」「Android」「OpenSocial」「シンプルAPI」だろう。
なかでも人気が高いのは、先日公開された「Google App Engine」だ。これはGoogleのインフラ「BigTable」上に自分のウェブアプリケーションを構築できるプラットフォームで、これを利用するユーザーはインフラを整備し維持するのに膨大なコストを費やす必要がなくなる。
Developer Day 2008では、Google App Engineに関するトークセッションと、「Hackathon」と呼ばれるコード ラボが用意されている。トークセッションはGoogle社内でも人気で、「Googleのエンジニアも聞きたがっています。遠慮してくれと言っていますが(笑)」(石原氏)というほどだ。
Hackathonは、参加したエンジニアがその場でコーディングしながら、Google App Engineについて学ぶことができるというものだ。まず数人のエンジニアで分野ごとに(ゲームやビジネスアプリケーションなど)チームに分かれて、どのようなアプリケーションを作るか、過去にどのようなアプリケーションがあったのかを議論する。
その後に実際にコーディング作業に入り、その場で随時相談し合うこともできる。Googleのエンジニアや周りの人がサポートしてくれるため、問題を解決しながらコーディングを進めることができるという。数時間のコーディング作業を経て、最後には実際に動くアプリケーションを発表する。
「トップレベルのエンジニアと話すことで得られる刺激や情報は計り知れないものがあります。Hackathonの1時間は、普通の1時間よりも遥かに重たいはず。開発者の方はぜひ参加してほしいです」(石原氏)
ただ、Hackathonは参加型のコーナーであるため、参加人数は20〜30人に絞られる。申し込みは別途必要となる。参加条件はノートPCを持参できること、事前に必要なソフトウェアのインストールを済ましておくこと、Pythonプログラミングの知識があること、当日作るアプリケーションのアイデアがあること、などだ。
参加希望者多数の場合は、「例えばPythonに関わるものなど、開発者向けの質問をして決定することになるかもしれない」(石原氏)とのことだ。
ところで、開発者にとって切実なのはGoogle App Engineを利用するためのアカウントである。現在はベータ版でアカウントの新規登録は受け付けていないため、Google App Engineを利用したくてもできない開発者もいるだろう。そんな貴重なアカウントが、Hackathonに参加すれば自動的にもらえるという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」