Google本社(通称「Googleplex」)を去る決断をするのは、時として容易でない。
新規株式公開(IPO)以前からGoogleの従業員で、すでに大きな財産を手にしているたくさんの人たちにとっても、創造性を重んじ、無料の食事からドライクリーニングまで、あらゆるものを提供する職場には大きな魅力がある。そしてもちろん、世界一ホットなハイテク企業の1つであり、ギークな人たちにとって理想郷と言っていい場所で働く名誉もついてくる。
「世界中の人がGoogleを知っていて、みんなの生活に影響を与えている。その一部であることで、自分が有名人になったような感じがする」と、Bonnie Brown氏は語る。同氏は、Googleでマッサージ師として働いていて大金持ちになった。
IPO以前からGoogleで働く従業員の多くが、もう働く必要がなくなった今もまだ会社に残っている理由は、もしかするとこの点にあるのかもしれない。実のところ、Googleの創設当時の幹部は今もほとんどそのまま残っている。例外的に退社した幹部には、最高財務責任者(CFO)を務めたGeorges Reyes氏と、エンジニアリング担当のバイスプレジデントだったWayne Rosing氏がいる。Rosing氏は現在、チリの山の上に世界で最も性能の高い望遠鏡を建造していて、その完成も間近だ。米国時間1月21日に発表されたFortune誌2月4日号の「働きがいのある企業トップ100」(100 Best Companies to Work For)において、Googleは2年連続で首位の座に輝いた。この結果には、Googleの従業員に億万長者が誕生していることも一役買っている。
だが一方で、Googleを旅立とうとする人たちもいる。彼らはシリコンバレーに、そしてシリコンバレーの外に、少しずつGoogle文化の種をまきつつある。ベンチャー投資家に転身したある元従業員は、Googleを辞めるのは「長い間付き合ってきた恋人との別れのようだ」と感慨を語った。また、持続可能な不動産開発を掲げるデベロッパーとなったが、今でも飛行機で街を訪れた際にはGoogleの共同創設者であるLarry Page氏やSergey Brin氏と昼食をともにする人物もいる。このように辞めていった者たちはみな、創生期のGoogleで働き、大きな夢を持つことを教わったと語る。
CNET News.comでは前回の記事で、Googleを辞めてマイクロメッセージングサービス「Twitter」などの事業を立ち上げた、数名の元Google従業員を紹介した。2部構成の後半にあたる今回は、起業家や慈善家に転身したGoogle社員を取り上げる。
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