絶好調のユーチューブ、迷走するライバルたち--映像共有市場で始まる淘汰の動き

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:DNAメディア2007年01月23日 18時18分

 YouTubeが一挙に有名にした映像共有ビジネス。アナリストたちは、この市場に淘汰が起きることを何カ月も前から予測していた。

 そして、この予測が正しかったことが次第に明らかになってきた。

 2004年の設立以来、ロサンゼルスを拠点に映像共有サイトを運営するRevver。同社は、同種サイトの中で最初に広告の売り上げを映像制作者に分配する仕組みを作ったことで知られる。同社が米国時間2006年12月20日に行った発表は、3人の共同創設者のうちの2人と、「支えとなるメンバー」数人が同社を去る、というものだった。後者の人数は明らかにされていないが、Revverの最高技術責任者(CTO)のRob Maigret氏と、メディアパートナーシップ部門の責任者David Tenzer氏も含まれるという。

 業界に詳しい筋によれば、生まれたばかりの映像共有市場をYouTubeが完全に牛耳っているために、Revverをはじめとする小規模の映像共有サイトは混迷を余儀なくされているという。2006年、Googleに買収されたり、そのサイトがTime誌の「Invention of the Year(最も優れた発明)」に選出されたりと、映像共有市場を一手に掌握する存在に上り詰めたYouTube。ライバル企業の多くは、怪物YouTubeとの直接対決を避けるべくビジネスモデルを修正したり、経営陣を再編したり、あるいは身売りの道を選んだりといった手段を講じている。

 「巨額の賞金を勝ち取ったのはYouTubeだった。私たち全員がそれを認めることができると思う」と、Gubaの前最高経営責任者(CEO)Thomas McInerney氏は、2006年12月に行われたCNET News.comとのインタビューで語った。

 カリフォルニア州サンブルーノに拠点を置くYouTube。当初は1カ月わずか数千件だった同社サイトへのトラフィック数は、1年間で3000万件に達する勢いを見せた。同社の成功は、映像の再生にソフトウェアのダウンロードが一切必要ない点と、映像のアップロードを簡単に実行できる仕組みに負うところが大きい。そしてもう1つの重要な成功要因は、掲載の前に映像を検閲しないというYouTube経営陣の決定だった。ただ、人気の高いテレビ番組、音楽映像、映画の一部が著作権所有者の許可を得ないまま共有されてしまうため、この方針は議論の的でもある。

 Revverの共同創設者Oliver Luckett氏は、2007年1月4日のインタビューで次のように語っている。「第1ラウンドはYouTubeの勝ちだ。彼らは何もかも奪っていった」

 Revverの広報担当者は、Maigret氏とTenzer氏は「顧問の立場に移った」と説明しているが、Tenzer氏の離脱は、一部の業界ウォッチャーを非常に驚かせた。ハリウッドでも最大級のタレントエージェントCreative Artists Agency(CAA)に所属していたTenzer氏が、ぜひにと請われてRevverに引き抜かれたのは、わずか数カ月前のことだった。Tenzer氏は、25年近く勤めたCAA時代にエンターテインメント関係の巨大な契約をいくつもまとめて名声を高めた。そんな同氏がRevverに移ったのは、ハリウッドの各スタジオとRevverのパートナーシップを築くためだった。

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