Netflixのすぐ後ろに、すべてのハイテク企業が見たくないと思っている企業の影が忍び寄っている。Appleだ。
Appleは米国時間1月15日、大手映画会社各社とライセンス契約を結んだことを発表した。これによりAppleは、DVDリリースから1カ月後には、新作映画を「iTunes Store」で提供できる。
これはつまり、オンラインの映画レンタルサービスでAppleが1歩大きなリードを奪ったことを意味する。オンラインの映画サービスでユーザーが抱いている最大の不満の1つが、どこも新作映画を取り扱っていないということだ。ケーブル会社が提供しているビデオオンデマンドサービスについても、ある程度同じような状況だ。
そのうえ、Netflixのサービスでは、配信される映画作品はMicrosoftのOSを搭載したコンピュータでしか視聴できない。
Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏は、15日の「Macworld Conference & Expo」で行った基調講演で、新サービス「iTunes Movie Rentals」で提供する映画は、PCおよび「Mac」「iPod」「iPhone」「Apple TV」で視聴できる点をアピールした。
Appleはまた、同サービスで扱う映画を高解像度(HD)で提供することで大半の競合に対して優位に立つ。Jobs氏によると、映画はストリーミング形式で配信されるので即座に視聴できるという。レンタル期間はダウンロード後30日だ。ただし、いったん視聴を始めてしまったら、それから24時間がタイムリミットとなる。
レンタル料は新作が1タイトル3.99ドルで、旧作の場合は2.99ドルだ。また、これに1ドル追加すれば、HD版がレンタルできる。Appleは、2月末までに1000タイトルを揃える計画だ。
Forrester ResearchのアナリストJames McQuivey氏は、「驚いたのは、AppleがHD版の提供を実現したことだ。Appleがこれを断行したのは、HDこそ消費者の望むものだからだ」と述べた。
McQuivey氏によれば、Appleの新しいレンタルサービスが、Netflixがメインに据えているメールオーダー式のビジネスを脅す可能性は低いという。Appleがタイトル1本ずつに対して課金するのに対して、Netflixのサービスでは月決めの定額利用料を支払い、好きなタイトルを観られるというシステムだからだ。
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