Microsoftの「Zune」プレーヤーはiPodに対抗するために設計されている。しかし、Microsoftの長年のパートナーに対する打撃のほうが痛烈かもしれない。
Microsoftは長年にわたり、多くの機器の上での使用が可能で、複数のサブスクリプションやペイパーダウンロードサイトと互換性のある技術を提供することで、Apple Computerの音楽システムに対抗しようと試みてきた。しかし今回Microsoftは異なるアプローチをみせている。
Microsoftは米国時間7月21日、独自の「Zune」ブランドの音楽プレーヤーとソフトウェアにより市場参入する計画を明らかにすることで、何カ月にもわたる憶測が真実であったことが確認された。しかしここでまた、ひとつの疑問が残った。そうなるとMicrosoftの「PlaysForSure」プログラムには、今後どれほどの注意が払われることになるのだろうか。このプログラムは、「Windows Media Technology」を使用した幅広いサービスやプレーヤーを促進するものである。
Microsoftは、この2年間におよぶ努力を捨て去るつもりはないと述べている。しかし同社は、この新プレーヤーが果たしてWindows Mediaフォーマットを使用する外部の音楽サービスに対応しているか、またZuneサービスが外部のプレーヤーの上で動作するのかについて、明らかにしていない。その上同社は、Zuneに関する発表のなかで、間違いなく互換性については宣伝していなかった。
「機器、サービス、ソフトウェアのいずれのエクスペリエンスであっても、それらは密接に統合される予定である」と、あるMicrosoft関係者はCNET News.comに対して伝えている。
業界の企業幹部らは、すでに出回っているプレーヤーやサービスが提供するエクスペリエンスと、それらの製品がもたらした市場に対する影響について不満を示している。
「より一貫性のあるエクスペリエンスが必要とされている」とMicrosoftの最高経営責任者(CEO)を務めるSteve Ballmer氏は2006年1月の取材のなかで述べている。「多様なデバイスが存在することが悪いという意味ではない。それは素晴らしいことである。しかし、もっと一貫性をもって全ての携帯機器に対し提供されるよう確保されるべき部分が存在する」(Ballmer氏)
全ての非がハードウェアメーカーとサービス提供業者に認められるわけではないと、IDCのアナリストであるSuzan Kevorkian氏は言う。「このような状況においては、責任追及は両者いずれに対しても向けられることができる」(Kevorkian氏)
(MicrosoftがZuneの計画を明らかにした直後には)アナリストのなかには、誰に責任があるかにかかわらず、Zuneの到来は、Microsoftの広範な提携アプローチの終焉の兆しであると言う者もいた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス