Appleは、技術的な変更に消極的になることはほとんどない企業だ。9月に予定されている「Mac OS X」の「Snow Leopard」へのアップグレードでも、きっぱりとした態度を取っている。
9月に登場するこの新しいOSは、IntelベースのMacでのみ動作する予定だ。つまり、「Mac OS X 10.5」(別名「Leopard」)が、PowerPCプロセッサを使用するMac向けとしては最後のOSになる。
この変更によって取り残されたと感じる人の中には、大いに悔しがる人もいたが、実際問題としてこの変更は不合理というわけではない。
まず、AppleがPowerPCチップからIntelのx86チップへ移行すると初めて発表したのは、4年前のことだ。その後もPowerPCモデルが発売され、最初のIntelベースMacは2006年まで発売されなかったものの、3年というのはコンピュータの世界ではやはり長い時間だ。これまでにアップグレードしていなかった人は、最先端のテクノロジを求めるタイプの人ではない。
さらに言えば、「Mac OS X 10.6」で重要な点のほとんどは、コンシューマー向けの機能ではない。むしろ、Macのソフトウェアでプロセッサの新しい方向性を十分に活用できるようにするための支えとなるもので、マルチコアプロセッサに対応する「Grand Central Dispatch」と、汎用計算用のグラフィックスチップを使用するための「OpenCL」などがある。Appleがかつて販売していたPowerPCベースのハイエンドマシンは、デュアルコアプロセッサ2基を搭載しており、複数のジョブを同時に処理できるSnow Leopardからメリットを得られたかもしれないが、それほど大きな計算能力を求める人々の多くは、最新のマシンに移行していると思われる。
また、古いハードウェア上で新しいOSをサポートする費用は高額だ。バグフィックスやセキュリティパッチをもっと多様なシステムでテストする必要があるからだ。複数のプロセッサファミリーをサポートするという複雑なことを行えば、この費用はさらに高くなる。
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