グーグルがセキュリティを懸念してWindowsを排除--果たしてこれは合理的なのか?

文:Ryan Naraine(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:石橋啓一郎2010年06月03日 14時34分

 Financial Timesは、セキュリティ上の懸念から、Googleが社内でMicrosoftのWindowsを段階的に減らしていると報じた。

 この記事では、情報源を明記していないものの、Googleの従業員の発言を引用し、同社はハッカーによる攻撃を避けるためにAppleのMacやLinuxの利用を進めているとしている。

 以下は、Financial Timesの記事からの引用だ。

 「われわれはもうWindowsを増やしていない。これはセキュリティ確保の取り組みだ」と、あるGoogleの従業員は述べた。

 「中国のハッキング攻撃以降、多くの人が、すでに(Windowsの)PCから主にMac OSに移行している」と別の従業員も述べている。

 新規採用者には、AppleのMacを使うか、Linux OSを動かしているPCを使うかという選択肢が与えられている。「Linuxはオープンソースで、それについてはわれわれは気に入っている」とある従業員は言う。「われわれはMicrosoftについてはさほど気に入っていない」

 1月の初めには、一部の新規採用者は自分のラップトップにWindowsをインストールすることを許されたが、デスクトップコンピュータにはその選択肢はなかった。Googleは現在の方針についてコメントしていない。

 Windowsを使い続けたい従業員には「かなりの上層」からの許可が必要だと、ある従業員は述べている。また別の従業員は、「今では、新しいWindowsマシンを手に入れるには、最高情報責任者(CIO)の承認が必要だ」と話した。

 このブログの読者であれば知っているだろうが、AppleのMac OS Xは必ずしも安全で確実なものとは言えない。実際、(Googleが心配すべき、Auroraなどの)標的型攻撃に関しては、Macはもっとも突破されやすいOSかもしれない。これは、Mac OSにはWindowsでは一般的になっている対攻撃緩和策が施されていないためだ。

 わたしには、このニュースはほとんど意味をなしていないように思える。そもそも、Googleのソフトウェア製品は、主にWindowsユーザー向けに作られ、そしてマーケティングされている。どうやったら、ソフトウェア開発者が自分が使うのを許されていないOSで製品を作れるのだろうか。

 Microsoftはセキュリティに関しては非難されがちだが、最新バージョンのWindowsは、破るのが非常に困難なものになっている。

 もしGoogleがマス市場向けのマルウェア(スケアウェア、ID盗難、トロイの木馬など)に関して社内的な問題を抱えているのであれば、一部の部署で別のOSを使うことには意味があるが、もしこれがAurora攻撃への対応なのであれば、現実から目を背けているのだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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