海外ラウンドアップ2007:守勢に立たされた業界の巨人たち

文:Charles Cooper(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2007年12月30日 08時00分

 業界の巨人たちは、彼らを置き去りにしかねないほど急速に変化していくハイテクビジネスに適応しようとこの1年間、格闘してきた。

 ソニーのように長年にわたってトップの地位にある企業も守勢に回らざるを得なかった。コンピュータ用バッテリの大規模なリコール騒ぎ、ゲーム機市場での苦戦に見舞われたほか、高品位DVDプレーヤーの規格戦争をめぐっては、消費者の不安によって最高経営責任者(CEO)のHoward Stringer氏にプレッシャーがのしかかった。もっともStringer氏はまったく動じることなく、あくまで計画どおりに進めるとCNET News.comに語っている。

 Microsoftも変化の年に直面したトップ企業である。同社では共同創設者のBill Gates氏がゆっくりと退場しようとしており、新しくリリースされたオペレーションシステム「Windows Vista」の威力とゲーム機の人気によって勢いを維持しようとしている。しかしGates氏がわれわれに語ったように、同氏にはMicrosoftのフルタイムの社員からパートタイムのシフトに完全に移行する前にやるべきことがまだたくさんある。

 確かにVistaの普及は急速に進んでいるが、技術的にどれだけ高度な機能を取り込んだとしても、セキュリティソフトウェアメーカーからは批判的な意見が出るだけである。その批判派で最も目立った1人SymantecのCEO、John Thompson氏は、Windows Vistaによってセキュリティの諸問題が解決したと考えてはならないと警鐘を鳴らす。Thompson氏は、「改善された新しい」Windowsによってコンピュータユーザーのセキュリティは「Windows XP」を使用していたときよりも向上したとするMicrosoftの主張を信じていなかった。その批判には自社の利益に結びつける意図もかなり含まれていたが、Thompson氏がひたむきに待ちつづけた結果、ついに企業が今日のビジネスにとってセキュリティが不可欠な要素であるという現実に目覚めた。

 しかし、まったく奇妙なことに、このビジネス界に広く受け入れられている認識はどうやら米国政府によって無視されていたようだ。サイバーセキュリティの最高責任者の地位は1年以上も空白になっていたのだ。しかし、米国土安全保障省(DHS)のMichael Chertoff長官は2月にGreg Garcia氏をこのポストに任命した。前任者たちとの重要な違いは、Garcia氏は次官補の肩書きも持っていること。これは同氏が、前任者たちよりも高い地位にあり、多くの権力を手にしている点である。

 そして2007年の主要なテーマを総括するにあたってWeb 2.0について触れないわけにはいかないだろう。2007年はWeb 2.0の支持者たちが企業にこれが本物であることを納得させた年だった。

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