最近話題の仮想世界「Second Life」。先日も登録ユーザー数が200万人に達したとして新聞やメディアを賑わせた。現段階では英語版しか出ていないが、それでも数千人規模の日本人ユーザーがいると言われている。CNET Japanでは「自分も始めたい」「年末年始の休暇中に試してみたい!」という方のために、今日と明日、Second Lifeの概説をつづった本稿のほかに、基本的な操作方法をご案内する「仮想世界『Second Life』--基本操作編」、無料で楽しめる面白いスポットの画像をご案内する「仮想世界『Second Life』--おもしろスポット画面ショット編」をお届けする。
まずSecond Lifeとは、ユーザーがアバターと呼ばれる自分の分身を、ネットワーク上に構成された3D CGの中に参加させることのできる、インターネット上の仮想世界のこと。Linden Labという企業が運営している。オンラインゲームと表現されることも多いが、これは必ずしも正確ではない。Second Lifeでは仮想世界および社会が提供されているだけで、得点を競ったり、共通のゴールを目指したりはしない。
その代わりにここでは友達を作ったり、洋服や建築物を作成したり、それぞれ自分に合った目的を見つけて活動することができる。文字通りユーザーがもう1つの人生を歩むための場となっていることから、ある種のコミュニティーサービスであるとも言える。
Secone Lifeにおける最大の特徴は住民(Second Lifeのユーザーは住民と呼ばれる)に与えられる「創造性」と「所有権」にあるだろう。Second Lifeには3Dオブジェクトを制作できるツールが用意されていて、住民はSecond Lifeで建物でも洋服でもゲームでも自分の欲しいものを作り出すことができる。さらに自分の創造したものの所有権は住民自身に与えられるため、さまざまな製品を作成し、販売することが可能となっている。この世界ではリンデンドルと呼ばれる通貨が用意され、米ドルへの換金も可能だ(ちなみに、現時点では1ドルは約270リンデンドルとなっている)。こうしてSecond Lifeでは経済活動も営まれているコミュニティーが運営されている。そのため、Second Lifeで起業する人もたくさんいる。
例えば11月には、Second LifeでAnshe Chungと名乗る住民が同仮想世界初の百万長者となったと宣言している。同氏のプレスリリースによると、Second Lifeに最初に投資した9.95ドルが、現実世界の資産や通貨に換算して100万ドル相当にふくらんだのだそうである。同氏は不動産業を営んでおり、Second Life内の土地を購入して整備し、貸し出したり販売したりしている。このニュースを疑問視する人も多いが、Chung氏のようにSecond Lifeにビジネスチャンスを見出す人が多いことも事実だ。
現実世界でなじみの深い企業の間でも、Second Lifeに拠点を設けることがトレンドになりつつある。
例えばDellは11月、同社製品の注文を受け付けるための店舗を開店している。IBMは今後の重要課題としてバーチャルリアリティなどの視覚的インターフェースへの取り組みを挙げ、先ごろSecond Life内における、Circuit Cityデジタル店舗の開設を発表したばかりだ(IBMはその直前の11月、最高経営責任者Sam Palmisano氏が新事業育成への投資計画を現実世界だけでなく、Second Lifeでも同時発表したほどの力の入れようだ)。このほかにもReutersが10月に支局を開設してニュースを配信したり、CNET News.comが仮想オフィスに著名人を招いて公開インタビューを開催したりしている。
IT企業だけでなく、トヨタ自動車やホテルチェーンのStarwood Hotels、Adidas Reebokなども進出し、それぞれの仮想製品やサービスを住民に使ってもらうことで、自社のブランディングやマーケティングに役立てようとしている。
日本人ユーザーは数千人規模と言われているが、今後予定されている日本語版の登場により、その数は増加することが予想されている。明日は基本的な操作方法や、無料で楽しめる面白いスポットをご案内する。ベーシックアカウントなら料金はかからないので、「日本語版の登場まで待てない!」という方は、冬休み期間を利用して、もう1つの人生の旅に出てみてはいかがだろうか。
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