拡大を続けるモバイル検索市場について、前回はGoogle の検索データをもとに紹介した。その際紹介したデータには、Android端末やiPhoneといったスマートフォンのデータは含まれていなかったのだが、実はこれらの端末からの検索は、通常の携帯電話、いわゆる“ガラケー”以上の急成長を見せているのだ。
上記のグラフからも分かるように、Android端末やiPhoneからの検索は年間約5倍という驚異的な成長率を見せる。実際、スマートフォン端末の台数も急増しており、2009年度のスマートフォン出荷台数は前年比113%増の234万台となった。これは携帯電話市場3444万台の6.8%にあたる(MM総研調べ)。
QWERTY配列のボタンやソフトウェアキーボードを備えるスマートフォンは、ユーザーにとってモバイルでの検索をより身近で手軽なものにした。また、それに加えて、開発者のビジネスチャンスも生み出した。それがモバイルアプリケーションだ。
iPhone、Androidのアプリケーション数は1月現在で16万5000本(MM総研調べ)となっており、その後も成長を続けている。モバイルアプリケーションには有料のものと無料のものがあるが、中でも無料アプリケーションの人気が特に高い。インプレスR&D刊の「世界のモバイルアプリマーケットプレース 調査報告書2010」によれば、有料アプリケーションよりも無料アプリケーションを数多くダウンロードしたというユーザーは80.9%に上るという。
では、開発者たちはその無料アプリケーションをどのように収益に結びつけられるのか。無料アプリケーションを有効に利用する方法としては、(1)無料アプリケーションをトリガーに、機能を追加した有料アプリケーションの認知度を高める、(2)無料アプリケーションで広告収入を得る――という2つの手段があげられる。特に2つめの方法は、有料アプリケーションを提供していない開発者にとっては数少ない収益手段であり、無料アプリケーションの利用が圧倒的に多い現在、注目されている。
Google AdSenseがベータ版で提供を開始している「モバイル アプリケーション向け AdSense」(現在英語サイトのみ)も、その2つ目の方法として人気を集めている。
このモバイルアプリケーション向けAdSenseは、AndroidとiPhone向けのアプリケーション上に、アプリケーションの内容や利用場面に合わせた広告を、自動で配信する仕組みだ。多言語対応をしているので、日本で作ったゲームのアプリケーションを英語圏のユーザーが利用すれば、関連する英語の広告を表示するといったことができる。これにより、言語圏に縛られないビジネスを展開する可能性も生まれてくる。実際グローバルな市場を目指す企業にも支持されている。
現在ベータ版のこの製品に関する問い合わせは、日本では「adsense-jumpstart-ja@google.com」のアドレスで受け付けている。米国およびカナダ在住者の場合は、こちらのページから申し込むことができる。
自動で配信する広告によって、アプリケーションの開発・運営に専念でき、かつ収益化も狙えるモバイルアプリケーション向けAdSenseを、拡大するスマートフォン市場でのビジネス展開に活用していただきたい。
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