「モバイル市場は着実に成長している」――そういう話はよく聞くが、なかなかピンとこないという人も多いのではないだろうか。この連載では、モバイル市場がどのように成長しているのか、そしてどのような可能性を秘めているのかをGoogleの検索データを元に紹介する。
23%と95%――この数字は、GoogleにおけるPCとモバイルそれぞれの検索ボリュームの平均成長率(2007〜2009年)である。PCから情報を探すニーズが2、3割増なのに対して、モバイルから情報を探すニーズは、ほぼ倍のペースで増えているということになる。
では、なぜモバイルの検索ボリュームは急成長しているのか、言い換えるとモバイルに人はどのような価値を見出しているのだろうか。
PCとモバイルでは、検索の利用パターンが大きく逆転している。まずはどのような逆転が起こっているのか、そしてその逆転からユーザーはモバイルをどのようにとらえているのか、3つのデータで見てみたい。
上の図は、PCとモバイルからの検索件数の1日の流れである。この図を見てわかるように、PCでは朝から夕方にかけてもっともよく利用されている。一方でモバイルは、夜間から深夜にかけて利用のピークを迎えるが、昼休み時間にあたる12時から13時頃も集中的に利用されている。ただし休日の場合は昼食時のピークはなく、夜間の利用に集中している。
そして、2つ目のデータ。これは1週間の検索ボリュームの流れである。グレーのPCからの検索が「平日に検索が集中し、休日には急激に落ちる」というサイクルを繰り返しているのに対し、モバイルは相反する動きをしている。休日をピークにユーザーの検索比率が推移しているのが分かる。
休日になるとPCを離れるが、その分ずっと持っているモバイルから情報を探し続ける、そんな人が多いのかもしれない。最後に、連休中の動きでモバイルのトレンドを見てみよう。
これは2009年のシルバーウィーク(9月の大型連休)における検索ボリュームの流れである。青いモバイルの検索ボリュームは連休前から連休最終日前日まで急激に上がっている。このほかの連休、たとえばゴールデンウィークやお盆においても連休中はモバイルの検索ボリュームが急激に増加するというデータが出ている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」