やはりこれまでもお話したようにゲーム機はソフトが鍵で、豊富なラインナップ感や幅広いジャンルのタイトル数をご用意することがとても重要だと思います。
もちろん、ユーザー方々から指名買いしていただける有力なタイトルも当然必要です。
つまり、バリエーションというものが重要であると感じています。ですから、我々は1本でも多く満足し納得いただける作品を発売していきたいと思います。
ユーザーの方々にとって、PS3ハードを「買いたい」という欲求と「価格」というものが離れているときは、たとえ「欲しい」と感じていただいていても実際の購入には結びつかないと考えています。
その「買いたい」という欲求と「価格」の差は、あるタイトル1本でその差が埋まり、PS3ハード購入に至ることもあると思います。そういったこともふまえて、差を埋めるのはタイトル数の蓄積だと感じています。「タイトルがこれだけあれば、ここまでの値段でもいい」とユーザーの方々に思って頂いて、はじめて購入して頂けると考えています。
このユーザーの方々がPS3購入に至るまでの状況は、例えばビンゴゲームみたいなものだと思っています。
たとえば5マス×5マスのビンゴで、最初の5回でビンゴという人はほとんどいませんが、どんどん進めていくとある1つのマスが開いただけでも急にリーチする人が増える。そして、もう1マス開いたら、ビンゴ! という感じで、ビンゴする人が急増してしまう、あの感じに似ているような気がしています。
タイトル数が増えてリーチしやすい状況を作れれば、ある一つのタイトルの発売によってPS3を購入したいと考える人が増えるという気がしています。だからこそ、幅広いジャンルのタイトル数が重要です。
しかし、PS3タイトルはどうしても制作期間が長くなりがちで、お待ちいただいているユーザーの皆様には大変申し訳なく思っております。
年末などの商戦期というのは、我々にとって重要だと当然認識はしています。認識はしていますが、中途半端なタイトルは出すべきではないとも思っています。
開発ラインもかなりの数が走ってはいますが、当然ユーザーの方々の期待度というものがありますから、それを満たさない限り発売は致しません。
フォーマットホルダーとしては、そのフォーマットならではのクオリティというものを出さなければなりません。それには、試行錯誤も含めて大量の人員を投入しながらやっています。
普通のタイトルでは、企画から入れると大体3年ぐらいはかかってしまいますね。「THE EYE OF JUDGMENT BIOLITH REBELLION 〜機神の叛乱〜」は、いつから制作していたのかという思いです。本当に長いプロジェクトでした。
最初はカードだけでゲームができていました。もちろん、ゲームバランスは今のものとずいぶん違いましたが。
私は「THE EYE OF JUDGMENT BIOLITH REBELLION 〜機神の叛乱〜」の企画を進めるかどうか判断する立場だったのですが、まずカードだけで渡されて、プロジェクトチームの者に「とにかく遊んでみてください」と言われました。もちろん接待プレーだったのですが、とにかく面白かった(笑)。
それと、カードの認識については、ソニーの技術なのでしょうか。
ソニーと色々な技術について情報交換をする中でカード認識の技術を見せてもらって、「これは使える」というところからはじまっています。
カードを認識する部分と、CGと合成をして表示させる部分であるスーパーインポートを組み合わせたら、売れるかどうかはさておき、少なくとも誰もやっていないことができると感じました。
なおかつ、PS3はネットワーク対応なので、離れたところにいるユーザー同士でカードゲームができる。世界中の人たちと家にいながらカードゲームができるのは素敵だと。
そのような思いを形にしたという点では目的は達成できたと思います。あとはユーザーの方々受け入れらるかどうかだと思います。嬉しいことに評判は良いようなのでほっとしています。
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