それでも我々は「ゲーム」を作る--ソニー・コンピュータエンタテインメント JAPANスタジオ

 現在全世界で幅広い普及を遂げたプラットホームであるPlayStation2(PS2)をはじめ、PLAYSTATION3(PS3)、PSP(プレイステーション・ポータブル)と、多くのプラットホームを擁するソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)。

 センセーショナルだったPS3の発売から1年。2007年は、良くも悪くもSCEにとって話題に事欠かない1年だったといえる。

 ただ、その話題の多くはPS3とその販売戦略についての話題がほとんどで、新型が発売され現在絶好調のPSPでも、ソフトの話題はサードパーティタイトルがほとんどだった。初代プレイステーション(PS)から斬新なタイトルを多数発表してきたソフトウェアメーカー「SCE」は、自社の新しいプラットホームでその実力のすべてを見せていない。

 そこで、SCEジャパンスタジオ シニアバイスプレジデントに就任した小林康秀氏に、ソフトウェアメーカー SCEの今後の取り組みについて聞いた。

--現在の御社が発売しているプラットホームですが、それぞれ市況をどのように感じていますか?

 PSPに関していうと、今年の9月に薄型・軽量化した新型を発売してから勢いがついていると感じています。

SCEJ 小林氏

 我々が常々意識していることですが、携帯ゲーム機についても我々はチャレンジャーだと思っていますので、現状の勢いは大変うれしい限りです。

 現在のPSPの主なユーザー層は中高生から大学生の方々で、PSPで「まずゲームを楽しみたい」という層だと考えていますし、そういったユーザーの方々からは、PSPは「ゲームを本当に楽しめる性能を持った携帯機」として注目いただいていると感じています。

 ですから、今後は当然あらゆる年代のユーザー層へ広げていかなければなりません。そのためにも、まずはきちんと「面白いゲーム」を提供していくという基本が一番大事だと思っています。

 コアなゲームファンの方々に向けては、他のゲームメーカー方々が素晴らしい作品を出されていますし、ブランドも確立されていると思います。

 その中で我々の役目としては、間口がもう少し広くてゲーム初心者の方にも親しみやすいタイトルを拡充することで、ゲームユーザー層の裾野を広げて行ければ良いと考えています。そのためには、ゲームの難易度などを調整して、初心者の方には入りやすく、ゲーム上級者の方にはやりこみ要素をふんだんに盛り込むとか、画期的な映像表現をセンス良くまとめるなどといった要素が必要で、その点は我々が得意としているところだと思います。

とてもSCEらしい作品といえるパタポン とてもSCEらしい作品といえるパタポン

 そういう意味では、今年の年末は弊社の特長が出ているタイトルが揃いました。例えば、「PATAPON(パタポン)」というコマンド・カーニバルアクションゲームは、非常に弊社らしいタイトルですし、「みんなのGOLFポータブル2」は、その典型だと思います。

--PS2はいかがでしょうか? SCEとしては今後も新作タイトルの開発は行うのでしょうか?

 今のPS2は、8年目を迎え豊富なソフトが揃いました。ゲームを安心して遊べるハードに成長したと実感しています。家の中ではPS2で遊んで、通学途中ではPSPというように、PS2とPSPのユーザー層はかなり近いと思います。

 またPS2は、他のゲームメーカー各社から、魅力的な新作タイトルが今年の年末も多数発売されますし、これまでに発売された豊富なラインナップもベスト化されて手が届きやすい価格になっています。ハード・ソフト共にお求めやすい価格で、ゲームを気軽にお楽しみいただけるハードの一つだと思います。

 このようにPS2ソフトはまだまだ元気であり、我々も海外のスタジオで制作されたPS2の新作タイトルで、日本で喜んでいただけそうなタイトルを発売する可能性はありますが、現在SCE WWS ジャパンスタジオとしてはフォーマットを牽引するべく、PSP・PS3タイトルの開発により注力をしています。

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