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「今後も予期せぬサービスが生まれる」:クリエイティブ戦略を貫くグーグル - (page 3)
--では次のキラーアプリケーションは?
その答えは、わかっていたとしてもお話しできません(笑)。ただ正直なところ、私にも次のキラーアプリケーションが何なのかはわからないのです。これまで長年この業界で仕事をしてきましたが、一度も次のキラーアプリケーションが何なのか正確に予測できたことはありません。いつもキラーアプリケーションというものは突然現れますから。私がエンジニアからの「予期せぬアイデア」を期待しているのはそのためです。こういった予期せぬアイデアを生み出せるような、頭の切れるクリエイティブな人材を雇いたいですね。Googleのような束縛感のない環境で仕事することで、すばらしい新たなアイデアが生まれてくるはずです。
---現在Googleの収入源は、AdWordsとAdSenseという2種類の広告ですよね。こういった広告サービスを拡張させる計画はあるのでしょうか。
この2つのサービスは常にサービス向上をはかっていますし、将来的に新たなサービスも提供する予定です。さまざまな方向へ展開させるつもりですが、ひとつこれだけは絶対にやらないと決めていることがあります。それはYahoo!などが行っているペイドインクルージョン、つまり料金をもらって(広告枠ではない純粋な)検索インデックスの中にそのサイトを掲載すること、さらには検索結果の表示順位を上げたりすることです。Googleでは、ウェブを巡回して出す検索結果は、公平に、バイアスをかけず、アルゴリズムによってのみ提供すると決めていますから。
--ということは、広告主が目立つ位置に自社サイトを掲載したい場合は、AdWordsで入札するしかないと。
そのとおりです。AdWordsは検索結果に影響を与えることはありません。広告の位置が変わるだけです。
--AdWordsの広告コピーが編集者の手で編集されることはあるのでしょうか。
AdWordsは基本的にセルフサービスです。広告主がキーワードに対して入札を行い、自らコピーを作成します。コピーの内容に不適切な言葉が含まれている場合は、自動的にソフトウェアが見つけ出して削除します。ソフトウェアのみで判断できない場合には、AdWordsのサポートチームの手が加わります。その際は広告主と相談してGoogleのポリシーに合った適切な表現に変更するか、広告の掲載を見合わせます。
規模の大きな顧客については、広告の品質向上サービスを提供する専門チームが存在します。Maximizer(価値の最大化)というチームなのですが、Googleで最初に広告の品質向上サービスを担当した人間がMaxという名前でして(笑)。実際に彼は広告の価値を最大限に生かすことが大変得意だったため、彼のことをMaximizerと呼んだのがはじまりです。日本では、広告代理店がMaximizerといえます。代理店が広告主のためにサービスを提供し、Googleはその広告代理店をサポートするのです。
--ほかにどのようにしてAdWordsのサービス向上を目指すのでしょう?
最近米国ではじめたサービスに、ローカル検索があります。これにより広告主は、地理的条件で的を絞って広告を表示することも可能となります。例えば、渋谷でしゃぶしゃぶ店を経営している場合、京都方面のしゃぶしゃぶ店を検索している人にその店の広告を出しても意味がありません。そこでエリアを渋谷や新宿に絞って広告を打つことで、広告費の削減が可能となるわけです。このようにオンライン広告では、小規模なビジネスを営んでいる企業も広告費を有効に使うことができるのです。
ただ、公共交通機関などの事情が異なるアメリカと日本では、それぞれの状況に合ったシステムが必要となるでしょう。細かいところは、やはりその国の事情に合わせてデザインしなくてはなりません。
--ローカル検索は自動的に地域を絞ることができるのでしょうか。それとも、編集者など人の手を介して行われるものなのですか。
われわれがめざしているのは、すべて自動的に処理することです。その方法はいろいろありますが、例えば緯度と経度を指定して、そこから何キロ以内の場所を検索するよう自動化する方法もあるでしょうし、渋谷であれば「渋谷」という地域名を直接入力して検索する方法もあります。
--現在のローカル検索はどのように行っているのでしょう。
現在はウェブサイト上にある住所や郵便番号を探し出し、その情報を元に地域を分けています。広告主は、広告を表示したい地域や郵便番号、また特定の地域名などを定め、その地域限定で広告を打つことができます。
例えばユーザーがマウンテンビュー市内でピザをオーダーしたいとしましょう。ユーザーはキーワード検索のボックスに「Pizza」と入力し、場所検索ボックスに「Mountain View」と入力して検索します。するとマウンテンビューの全ピザ店の情報を検索結果として得ることができますが、それと同時に、同市をターゲットとするピザ店や、同市へのデリバリーを可能としている広告主の広告も掲載されるのです。
--なるほど。ローカル検索によって、ユーザーはさらに広告に意味を見いだすことができるというわけですね。
その通り。ただ現在これはベータ版で、米国版のみが提供されています。日本では郵便番号でなく、駅名や沿線などで検索できるでしょうし、より面白いサービスになると思います。
さらに、Googleの広告の表示される順位は、通常のAdWords広告もそうなのですが、高い料金を支払ったからといってトップに掲載されるわけではありません。全くクリックされない広告というものは、ユーザーにとってあまり有益な広告でないと判断されるからです。逆にクリックされる回数の多い広告は、上位に掲載されます。ユーザーがよく見る広告こそ、高い料金を支払っている広告よりも意味のある広告ですからね。Googleでは、ユーザーにとって意味のあるものを提供する方が、目先の収益にとらわれるより重要だと考えています。われわれは常にユーザー指向ですから。そうすればユーザーも広告が意味のあるものだと理解し、広告を無視できなくなるからです。検索サービス、広告の両方において、ユーザー指向のサービスを提供することに変わりはありません。ユーザーの支持を得なければ、長期的な成功は望めませんからね。
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