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ソニー、急速回復で年初来高値更新、今度こそ復活はあるのか
先週末の13日にソニーの株価が一時、前日比320円高の6660円(終値は同170円高の6510円)まで買い進まれるなど、集中した買い人気を集めている。
短期間で2月27日に付けた高値6540円を大幅に上回り、年初来高値を更新してきた。出来高も、前日の815万株に比べ約3倍の2418万株と急速に膨張。3月期決算企業の決算発表の本格化を目前にして、買い手控えムードが高まり全般軟調地合いとなっている中で、ソニーの業績回復に対する期待感が久々の買い人気につながっているようだ。
株価上昇の直接のきっかけとなったのは、日経新聞13日付朝刊での「ソニーの2008年3月期の連結営業利益が、前期推定(600億円)の6倍強にあたる4000億円を上回りそうだ」との観測報道。大幅増益予想の背景としては、北米で好調な液晶テレビの販売増などによるエレクトロニクス部門がけん引し、ゲーム事業での収益の改善も挙げている。
この報道について外国証券の電機担当アナリストは「会社側が5月16日予定の2007年3月期の決算発表の席上で、2008年3月期の連結営業利益を4000億円と予想するかは別として、ここ数年計上し続けてきた構造改革費用、新型ゲーム機『PLAYSTATION 3』の立ち上げ費用負担、さらにリチウムイオン電池不祥事に伴う損失などによる業績低迷から脱するきっかけとなる可能性は十分ありそうだ」と指摘している。
さらに、ここにきてソニーにとって中長期的な業績向上の支援材料となりそうなニュースが相次いでいる。
ソニーは12日、次世代ディスプレイとして注目されている有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を使った薄型テレビを年内に世界で初めて商品化すると発表した。画面サイズは11型で、厚さわずか3ミリの超薄型の小型テレビを、豊田自動織機との合弁会社で行うとしている。
有機ELは電気を流すと自ら発光する素材のため、既存の薄型テレビに使われている液晶やPDP(プラズマディスプレイパネル)より、明るく鮮やかな画像表示が期待できるほか、画面に背後から光を当てるバックライトが不要で、大幅に軽量・薄型化できるのが大きな特徴。しかし一方、これまでは素材の寿命が短いうえに、大画面化が難しいなどの量産に向けて技術面での課題も多く、商業ベースでの販売はかなり先と思われていた。今回ソニーが有機ELテレビの実用化・販売で先行したことは大きな意義がある。
もうひとつの好材料は、3月18日に導入された首都圏の地下鉄・バス共通IC乗車券「PASMO(パスモ)」が短期間で予想を大幅に上回る売れ行きをみせ、販売制限するほどになっている点だ。ソニーは100%出資子会社のソニーケミカル&インフォメーションデバイスで電子マネーやポイントカードなどに使用される非接触タイプのICカード「フェリカ」用の内蔵部品「アンテナモジュール」を製造しているが、この部品はPASMOやJR東日本の「スイカ」にも使用されている。最近のPASMOの販売好調に伴って、アンテナモジュールについて、2007年度は前年度に比べ40%多い月産550万枚に引き上げると発表している。
ソニーの株価は、2006年10月5日に4340円の安値を付けた後、一時的に反発に転じたものの、再び下降トレンドとなり、2006年12月5日には4470円で二番底をつけた。その後は全般の上昇基調にも支えられるかたちで急ピッチで回復し、2007年2月27日には6540円まで上昇。先週末の13日には6660円まで買い進まれ、年初来高値を更新した。
2008年3月期の連結営業利益が4000億円に達すれば、連結1株利益は330円程度に拡大する試算も成り立つことから、時価で試算した連結PERは20倍程度と割高感は払拭される。今後、来期業績見通しの動向によっては、株価7000円乗せも十分期待できそうだ。
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