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ついに上場、超大物エプソンの意外な側面

2003/06/17 10:00
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 家庭用プリンタ「カラリオ」で知られるセイコーエプソンが、6月24日に東証1部に上場する。今期の予想連結売上高1兆4693億円、経常利益550億円という超大物の新規上場とあって、市場関係者や投資家の関心もヒートアップぎみだ。上場を目前に控えた株式市場での意外な評判を探った。

 エプソンはもともと有力万年上場候補の1社とされていた銘柄だ。しかし、候補だったテレビ朝日、電通、野村総合研究所といった大物が相次いで上場に踏み切る中にあっても、相場環境の悪さなどを理由に上場を先延ばしにしてきた。しかし、「待てば海路の日和あり」で、この先延ばしが結果的に幸いしたようだ。6月に入って全体相場の上昇の勢いが加速して、新規上場にとっては願ってもない相場環境となっている。

 その証拠に、エプソンは上場前に公募価格を決めるためのBB(ブックビルディング・需要積み上げ方式)の入札仮条件の上限を、以前に発表した2450円から2600円に引き上げるという異例の行動に出た。「市場調査の結果、入札に対する需要が極めて強いことが判明したため」という。この結果、上場に伴うエプソンの資金調達額は最大1200億円にも膨らむことになる。市場関係者は「もし相場環境が悪かったら、(上場時の発行済み株式総数1億9186万株という)ここまで大きな銘柄の新規上場は、市場から大きな資金を吸い上げ相場全体の需給を悪化させるとして批判を浴びたに違いない」と運の良さを指摘している。

 それでは、この2600円という入札条件価格は果たして適正なのだろうか。中堅証券のエクイティ部では「エプソンの今期連結予想1株利益は122円で、株価を2600円とするとPER(株価収益率)は21倍となり、類似会社とされるキヤノンの23倍とリコーの18倍のちょうど真中の水準で適正という解説が成り立つ。上場日の24日まで株式市場全体の地合の好調さが継続されていれば、ご祝儀相場と指標株としての機関投資家の組み入れ思惑などから、一度は株価が3000円を超える可能性も十分ありそうだ」としている。

エプソンの経常利益が波乱状態?

 しかし、強気の市場関係者が多いなか、意外な評判も浮上している。外国証券のアナリストはエプソンの連結業績の推移を見て、売上高は比較的安定成長しているものの、経常利益のアップダウンがあまりにも激しすぎることを指摘している。同社の経常利益は、2001年3月期に919億円と高水準だったものが、翌年の2002年3月期には192億円に激減、2003年3月期は417億円に回復し、今期の2004年3月期の予想は550億円となっているのだ。

 「経常利益の波乱要因となっているのは、電子デバイス事業の採算急低下による赤字だ。この部門では、連結営業損益ベースで、2001年3月期に707億円という空前の黒字を達成したものの、翌年からは一転して、2002年3月期に223億円、2003年3月期に280億円と2期連続して大幅な赤字を出している」と同アナリスト。電子デバイス事業では、液晶プロジェクター、携帯電話向けの液晶ディスプレー、液晶ドライバーIC、水晶デバイスなどを手掛けている。

 家庭用プリンタ「カラリオ」での安定成長のイメージが強いエプソンだが、利益変動が非常に激しい電子デバイス事業を抱えていることも知っておきたい。

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