大勢の人を前にステージに立ったら平常心を失って、後で後悔するようなことを話してしまうかもしれない。あるいは、話すつもりはないのに真実を言ってしまうこともあるだろう。
米ZDNetのLarry Dignan氏が米国時間10月21日、Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏が米オーランドで開催されたGartner Symposiumで行ったスピーチについて記事を書いている。Dignan氏の記事は、スレートとタブレットに関するBallmer氏の発言とその切り返しについて真意を探ろうとしたものだが、筆者が瞬時に気に留まったのは、「リスキーな賭けは?」というGartnerの質問に対するBallmer氏の回答だ。(訳注:Dignan氏は記事中、「Windows 7」ではなく、「Windows Phone 7」ベースのタブレットの可能性について聞かれた時の、Ballmer氏の反応について書いている。それによると、Ballmer氏はWinodws Phone 7を手にして、「これもWindowsだ。このWindowsかもしれないし、別のWindowsかもしれない。今日はこの部分に関する技術の詳細についてはお話しない」と述べたとのことだ)。
Dignan氏の記事によると、GartnerのアナリストであるJohn Pescatore氏はBallmer氏への質疑応答セッションの終わりでインタビューを行ったという。Pescatore氏はBallmer氏に向かって、Microsoftが「最もリスクの高い賭けを行っている製品」は何かと聞いた。
Winodws Phone 7、「Bing」「Office Web Apps」などを挙げるかと思いきや、Ballmer氏は「次期版のWindows」と答えた。
これは、2010年に入って広まり始めた「Windows vNext」に関するうわさと同等の大げさな話であるかもしれない。Windowsの次期版(多くのMicrosoftウォッチャーらは「Windows 8」と呼んでいる)は、既存の進化形というよりは革命的なものになるという情報もある。
だが、以前リークしたWindows 8のスライド(日付は2010年4月で、Microsoftのものと思われている)をみると、Windows 8で予想されている初期の機能セットは手堅いものではあるが、「リスクを伴う」ようにみえるものはまったく入っていない。起動時間の短縮、セキュリティ強化オプションとしての顔認証、スレート対応の改善、アプリケーションストアの可能性などが挙がっており、すばらしいが、びっくりするような内容ではない。機能リストの中で、わずかにリスキー(Microsoftが提供できるかという観点からみて)と思えるものを挙げるなら、プッシュボタン・リセットだろう。これは、ユーザーの個人用ファイル、アプリケーション、設定を維持しつつWindowsを再インストールするという機能だ。
数人の情報筋より、Windows 8はこれまでとは異なるファイルシステムを含むことになるといううわさを聞いた。これが今後、どのようになるのかはわからない。また、数年前のWinFS構想のような話をしているのかどうかも不明である(WinFS情報の大部分は「Windows Vista」ローンチ前に明らかになった)。
ではなぜBallmer氏はWindows 8を「リスキー」とするのか?筆者にはわからない。「Chrome OS」「MacOS X Lion」などの他のOSの次期版との競合について話しているのだろうか?それとも、クラウド普及の影響か?Windows 8と「Windows vNext」は実際に別々の製品なのか?あるいは、Ballmer氏は質問の矛先を変えて、モバイルやゲームでの新製品に対する質問を回避しようとしたのか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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