現時点で「Windows Phone 7(WP7)」端末は店頭に並んでいないが、Microsoftは米国時間10月11日、WP7ローンチに合わせてどのような広告を展開するのかを一部公開した。
以下は、欧州で10月中旬、米国で10月末からスタート予定のビデオ/TVのスポットの静止画だ。
MicrosoftはWP7展開にあたり、「Windows 7」の広告キャンペーンを担当したCrispin, Porter + Boguskyと再度組み、競争が激しくなるスマートフォン市場でシェア拡大を図る。
「われわれの役割は、カテゴリの破壊だ」とMicrosoftのCentral Marketing Groupで最高戦略責任者を務めるDavid Webster氏は語る。
「たしかに、ベンダーやキャリアの広告があふれている」とWebster氏は認める。
そんな中で消費者の注意を喚起するため、Microsoftは異なる戦術を取る。携帯電話でアプリのダウンロードやゲームをしたり、設定を変更できることにフォーカスするのとは正反対のシナリオを強調することにしたのだ。
Microsoftの狙いは、WP7端末では必要な情報を探す時間が短縮でき、これまで以上に早く「現実の生活」に戻れることを顧客に示すことだ。ユーザーインターフェースの「Live Tiles」により、WP7では、情報の入手が迅速かつ他のスマートフォンほど手作業を必要としないとMicrosoftは主張する予定だ。
先に行った電話インタビューでWebster氏は、「われわれがブランドと事業のリセットを行うにあたり、別の見解が必要だった」と語った。
数週間前にWindows Phone 7とAT&Tのコマーシャルの初期版がリークした際、多数のブロガーやMicrosoftウォッチャーが、電話機があまり登場しないキャンペーンを構築するというMicrosoftの決定の賢明さに驚きの声を上げた。ベンダーやキャリア、そして、多数のユーザーが望んでいることの逆ではないか(「iPhone」や「Android」ユーザーの多くが、暇さえあればアプリをスクロールする習慣に幸せを感じているように見える)?
MicrosoftのWP7キャンペーンは平均的なユーザーを主なターゲットにしているのであり、「熱狂的な技術ファン」ではない。Microsoftは「なるべく携帯電話を使う時間を減らして、人生をもっと楽しもう」というメッセージが、WP7の潜在ユーザーの多くにアピールすると予想しているのだ。技術のために技術を称賛しないという考え方は、夕食、映画、歩く途中に“スマートフォンゾンビ”に邪魔された経験がある人(あるいは、自分自身がそのような人だったと認める人)の共感を得るだろう。
MicrosoftとCrispinはこれまでの広告キャンペーンと同様(成果の度合いはさまざまだが)、今後時期をずらしてさまざまなWP7広告を打つ。ウェブ、TV、印刷物で展開するスポットは、WP7端末がどのように動き、「クラウド」を使ってバックアップ、写真保存、紛失した電話の復旧などができることにフォーカスする予定だ。
だが、土台にはそのメッセージがあるとしても、「Windows Phone 7こそスマートフォンだ」といった類の広告ではない、とWebster氏は述べる。
MicrosoftのWP7広告の動画クリップは、Microsoftのウェブサイトで見ることができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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