Microsoftは、レガシーアプリケーションを「Windows 7」で動かせる仮想環境に移行するのを支援する最新のP2V(Physical to Virtual)ツールを開発中だ。
最新のマイグレーションツールは「P2V Migration for Software Assurance」と呼ばれており、「Microsoft Deployment Toolkit(MDT)」と「Sysinternals Disk2 VHD」を組み合わせたものだ。ツールは現在、ベータテスト段階にある。
このツールは、既存の「Windows XP Service Pack(SP) 3」または「Windows Vista」クライアント環境を仮想ハードディスクに変換し、古いWindows環境、アプリケーション、ウェブブラウザを持つ仮想マシンを含むパーソナライズされた「Windows 7」を自動配信する、というものだ。仮想デスクトップは、ドメインメンバーシップと管理ポリシーなどの管理コンポーネントを持ち、Windows 7のスタートメニューからユーザーのレガシー設定にアクセスできる。
「Software Assurance」がついている理由は、ライセンスの複雑さを隠そうとしてのことだ。9月9日付けのMicrosoftのSpringboardブログによると、新しいツールに「入り口」を設けて、Software Assuranceに加入しているボリュームライセンス顧客のみに提供しようとしているのではない、と説明している。同ツールでは1台のPCから別のPCにインストールを動かすことになるが、OEMがインストールしたWindowsはライセンス上の問題によりP2V化できない。そこで登場するSoftware Assuranceには、P2Vの利用シナリオにも対応するボリュームアクティベーション周りをカバーするライセンスポリシーが含まれている。
Microsoftの幹部は2010年7月に開催した社内イベント「TechReady」で、P2Vマイグレーションツールを披露している。社外向けの公開は、11月にドイツのベルリンで開催する「TechEd EMEA」になるとのことだ。
現在のP2V Migrationベータ版は9月にConnectにて公開されている。Springboardブログによると、「『Configuration Manager』ドキュメントが付き、国際化対応を強化したベータ版も数日以内に公開する」予定という。
P2V Migrationツールは全てのニーズを満たすツールではない。Microsoftでは以下のように注意している。
標準化されたローカルな仮想PC環境をたくさんのユーザーに配信する最善の方法は、「Microsoft Enterprise Desktop Virtualization」を利用することだ。Enterprise Desktop Virtualizationは、軽量の仮想マシンのプロビジョニングと管理が可能で、仮想マシンからアプリケーションへのリンクの発行を管理したり、ユーザーが物理マシンにログインしたときに仮想マシンをスタートするなどのことができる。また、仮想マシンで利用するアプリケーションの把握と管理も要求される。P2V Migrationが適しているのは、ソースメディアがない場合、標準の仮想マシンにあまり要求のないアプリケーションを含みたくない場合などだ。このようにニーズが特化されており、実装が難しいPCを持つ場合、P2V Migrationは最適だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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