マイクロソフト、発売後2カ月足らずで「KIN」撤退表明

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子2010年07月01日 12時14分

 Microsoftは、携帯電話「KIN」にピリオドを打つことを早々に決定した

 Microsoftは2010年4月に「KIN ONE」「KIN TWO」の2機種を発表、5月に発売を開始した。そして、Microsoftは米国時間6月30日、KINの欧州展開を中止し、KIN開発チームを「Windows Phone 7」チームに統合する計画を明らかにした。

 Microsoftの広報担当者からの声明は以下のとおりである。

 MicrosoftはWindows Phone 7のローンチに注力し、2010年秋に計画していたKINの欧州展開を中止することにした。さらに、KINチームをWindows Phone 7チームの下に統合し、KINチームの貴重なアイデアと技術を将来のWindows Phoneリリースに組み込んでいくことにした。米国では引き続き、Verizonと協力して現行のKIN端末の提供を継続する。

 (これで、Verizonが先に実施したKINの値引きの理由がわかった気がする。Verizonの値引きは、在庫一掃の特売だったのだ。それでも、現時点でKINの需要がどれだけあるかは不明瞭だ)。

 この数年で筆者が得たさまざまなリーク情報に基づくと、開発コード名「Pink」で知られるKINはローンチ前からさまざまな騒動に見舞われてきた。プロジェクトは何度か中断しているし、KINはサービスのみで発表される可能性があるといううわさもあれば、Microsoftフォン+サービスとしてローンチするといううわさもあった。また、Microsoftが買収したDangerチームの多くが、Pinkプロジェクトの方向性について経営側と意見が合わないためにMicrosoftを辞めたといわれている。

 KINが発表された後も、OSは「Windows Mobile」でも「Windows Phone OS 7」でもないというMicrosoftの決断--ある種、この2つを組み合わせたハイブリッドだった--に、Microsoft観測筋は困惑した。アプリケーションストアがないことも懸念されていた。さらには、VerizonのKIN向けのデータプランは高額で、結局はMicrosoftが狙っていたような成功を得られなかった。

 筆者は、Microsoftが「KIN Studio」など、KINのコンセプトの一部をWindows Phone 7に取り入れるという話を聞いた。そうでもしないと、KINは何の成果も出さない高価なプロジェクトに終わるだろう。

 手遅れにならないうちに撤退するのはよいことだと思う。だが、ローンチ前に手を打っておいたほうがよかったように思える。

 アップデート:どうやら、KINの欧州ローンチを中止という決断はかなり急だったようだ(MicrosoftのKINチームも直前まで知らなかったようだ)。以下のツイートは、数時間前に公式のKINのTwitterアカウントが発したメッセージだ。


この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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