G Dataがドイツでのネット裏経済事情を概説
G Data Software株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:Jag 山本)は、ネット裏でうごめいている地下経済の実態を調査したホワイトペーパー「アンダーグラウンド エコノミー Part2」を発表します。今回は、先月に逮捕された「ロマンシング詐欺」事件をふまえ、ドイツのネット犯罪と対比させた「日本語版へ序文」を付し、暴露系ウイルスを日本特有の現象ととらえ、引き続き注意を呼びかけるとともに、今後起こりうるものとしてドイツのような大掛かりなネット犯罪組織によるウイルス攻撃にも用心すべきであるという見解を、ここに発表します。
2010年5月25日、日本では「ロマンシング詐欺」と呼ばれる事件の首謀者2名が逮捕されました。これは、ファイル共有ネットワークを利用したウイルスによって金銭をだまし取ったという「詐欺」事件ですが、首謀者の1人がウイルス作者であり、ウイルス作者の逮捕としては、2008年1月に同じくファイル共有ソフトを利用する人々を狙った「原田ウイルス」の作者に次いで、2例目となりました。しかし、原田ウイルスが愉快犯であり、著作権侵害を理由とした逮捕であったのに対して、今回のロマンシング詐欺は、ウイルスを利用した金銭横領詐欺での摘発として、国内最初の事例となりました。
ロマンシング詐欺も、原田ウイルスと同様、ファイル共有ソフトのネットワークからダウンロードできるファイルにウイルスを仕込むという意味では、いわゆる「暴露系ウイルス」に分類されます。しかし今回の、犯行に使用されたKenzero(またはKenzo)という名称を付したウイルスは、違法にダウンロードしたファイル(アダルトゲームやオフィスソフトなど)をインストールする際に、個人情報を入力させる架空の機関(国際著作権機構(ICO))のウェッブページへ誘導するだけでなく、獲得した個人情報をもとにユーザーに金銭を要求し実際に横領しました。
このような、ウイルスを使用した犯罪は断じて許されるべきものではありません。しかし同時に、違法と知りながらファイル共有ネットワークなどから映像や音楽、ソフトなどをダウンロードしてはならないとする改正著作権法が1月より施行されているなか、金銭被害にあったユーザーにおいても著作権物の不正入手においては加害者であるという点は、今後、考えてゆかねばならないでしょう。
話は変わりますが、ドイツにおいては、昨年秋に、ネット犯罪のシンジケートを構成している一部の組織が集中して警察当局によって一斉捜索されました。詳しいことはホワイトペーパー本文をご覧になっていただきたいのですが、ドイツの犯罪組織の手口は、違法に相当額の金銭を入手できる犯罪システムとしては、すでにかなりの完成度に達していることがわかります。
それに対して、日本で起こったロマンシング詐欺事件は、それほど大掛かりものではなく、小規模であり、また、とても組織的な犯罪とは言えません。そもそもこのロマンシング詐欺事件は、すでに逮捕の2ヶ月ほど前より、ネット掲示板などにて被害報告や加害者の弾劾などが行われており、マスコミや警察当局も、それほど苦もなく本件の状況を詳細に把握できたと想像されます。
その意味では、日本で起こった事件は、あくまでも、小さなコミュニティにおける小さな犯罪(=ムラ的ウイルス犯罪)という位置づけになるのではないでしょうか。対してドイツの事例は、国際規模での大掛かりな犯罪(=グローバルなウイルス犯罪)とみなすことができます。
私たち日本に住む者としては、両者の事件から、一方では、将来的に、日本もドイツのようなグローバルなウイルス犯罪が増加する危険性をはらみつつあることを理解しながら、他方では、依然として、ムラ的ウイルス犯罪もまた、引き続き、頻発するおそれがあると考え、この、両面における対策を怠らないようにすべきでしょう。そのためにも、本ホワイトペーパーを活用していただければと思います。
ドイツの事例につきましては、下記のホワイトペーパーをご覧ください。
「G Data Whitepaper 2010 ――アンダーグラウンド エコノミー Part2――」
目次
0 日本語版への序文
1 はじめに
2 裏経済の加担者を家宅捜索
3 商品・サービスへの影響
4 ペイセイフカードの事例
5 裏経済に関する今後の見通し
6 結論
付録 用語集
ダウンロードは、下記のURLから可能です。
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ジーデータソフトウェアについて
G Data Softwareは、1985年に創業したドイツのセキュリティソフト会社です。EUを中心に、コンシュマーならびに法人向け製品を展開しています。日本法人は2007年に設立しました。最大の特徴は、ダブルエンジンによる世界最高位のウイルス検出率です。また、新種や未知ウイルスへの防御、フィッシング対策、迷惑メールへの外国語フィルターなど、インターネットやメール環境を安全・快適にする機能を豊富に搭載しています。
*本リリースに記載されている各種名称、会社名、商品名などは各社の商標または登録商標です。
【本リリースに関する問合せ先】
G Data Software株式会社
101-0042 東京都千代田区神田東松下町48 ヤマダビル6F
窓口: 瀧本往人
E-mail: gdata_japan_info@gdatasoftware.com
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