富士通研究所は5月7日、世界最高水準のカラー画質を有するカラー電子ペーパーを開発したと発表した。10月に富士通フロンテックで製品化の予定だ。
今回開発したカラー電子ペーパーは、表示メモリ性のあるコレステリック液晶パネルを積層した構造を持ち、コレステリック液晶が特定波長の光(赤、緑、青)を各色の層ごとに反射する特性を利用してカラー表示を実現しているという。一般的な液晶ディスプレイなどで多く用いられている赤緑青のカラーフィルタを用いる方式と比べて、より明るいカラー表示が可能だとしている。
また、パネル構造と画面の書き替え方式を大幅に見直し、光をより多く反射できる新規液晶材料の開発と、光のロスを少なくする表示パネルの開口率(有効反射領域)の拡大により、明るさを同社従来比の1.3倍にあたる33%に改善し、明るいカラーの表示を実現したという。同時に黒表示時の入射光の散乱による余分な反射を抑制するパネル構造により、従来比の3倍にあたるコントラスト比7:1を達成している。さらに、駆動制御法を新規に開発したことにより、書き込み速度を同2倍に高速化し、画面書き換え性能は0.7秒を実現した。これにより、電子ペーパーとして世界最高水準のカラー表示とスムーズな画面切り換えが実現できるという。
富士通研究所では、早くからカラー電子ペーパーの開発および実用化に取り組み、2007年には、富士通フロンテックより世界初のカラー電子ペーパーを搭載した携帯情報端末「FLEPia」を製品化している。今回、表示性能を大幅に向上したことにより、カラー電子ペーパーの応用範囲拡大が期待できるとしている。
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