先週のAppleの「iPad」発表に向けた何カ月にも及ぶ盛り上がりに抵抗できる人などいるだろうか?これにはGoogleでさえ抗しがたいだろう。同社は、独自開発の「Chrome」ブラウザがベースとなる「Chrome OS」を搭載するタブレットコンピューティングに対する関心を明らかにした。
GoogleのChromeおよびChrome OSのユーザーインターフェース(UI)設計を手がけるGlen Murphy氏は米国時間2月1日、実はiPadが発表される2日前に公開されていた、Chrome OSがベースとなるタブレットのコンセプト映像および写真の存在を明らかにした。だれも当初は気づかなかったようである。なぜなら、Murphy氏は、ようやく今になって「われわれの開発するタブレットのモックアップが姿を現したようだ」とのメッセージをTwitter上へ投稿したからだ。
同サイトでは、GoogleがChrome OSで描いている他の複数のデバイスも明らかにされている。
「Chromium」プロジェクトのフォームファクターを伝えるサイトによると、「主にChrome OSがターゲットとしているのはネットブックであるものの、最終的には幅広い種類のデバイスへと広がっていく可能性がある。入力方式、利用可能なスクリーンのサイズ、処理能力なども、各デバイスで大きく異なってくるだろう」と説明されている。Chromiumは、Chromeのブランドを冠する製品の根底にあるオープンソースの開発者プロジェクトの名称である。
Chrome OSは、Googleが同OSのリリース時に発売されるデバイスとして計画しているネットブック上よりも、タブレット上でのほうが販売しやすい可能性がある。しばしばネットブックでは一般的な用途のPCとしての活用が期待されるため、ブラウザベースというChrome OSの思想は、かなり移行を困難にするかもしれない。
一方、現在のタブレットには、読書やインターネットの閲覧、文字入力を多く必要としない各種タスクなど、一部の特定用途に注力する傾向が見られる。こうしたアプローチであれば、PC業界からの飛躍を目指すChrome OSには、それほど障壁とはならない可能性がある。しかしながら、タブレットの市場はネットブックほど大きくはない。
今回発表されたアイデアはモックアップに過ぎないものの、Googleは、コンピューティング業界において優位を保つほどではないが、これまで現実的に成果を打ち立ててきた。携帯電話に搭載される「Android」OSの影響力は強まってきており、Chromeブラウザの利用も着実に伸びている。
タブレットのモックアップでは、タブレットで目指されるChrome OSの多彩なアイデアが紹介されている。そのなかには、スクリーンの下半分を占める、あるいは、独立したウィンドウとして画面上を自由に動かせるバーチャルキーボードがある。また、スライドショーモード、アプリケーションランチャー、サイドバーがマウントされたブラウザタブ、ポップアップするコンテクストメニューなども明らかにされている。
モックアップを活用するビデオ映像の中では、やや大きなサイズのタブレットが登場して、マルチタッチのUIでウィンドウのサイズを変更して動かし、テキストをスクロールしたり、検索用語を入力したりする手の動作を確認できる。
まだ現段階では、すべてのアイデアが初期段階であるものの、いずれもマルチタッチ対応版のChrome OSのコンセプトから大きくかけ離れたものではない。Googleは、2010年後半にネットブックに搭載してChrome OSを正式にリリースする予定であり、オープンソースOSの開発は順調に進行中である。
Googleは声明を出しているが、特にChrome OSの計画の詳細な点までは明らかにしていない。「いまだChrome OSは開発段階にあり、どのような設計が最高のユーザーエクスペリエンスをもたらすことになるのかを見極めるため、さまざまなUIの実験を日々重ねているところである。これまでずっと述べてきたように、依然としてUIは開発中で、どの設計がユーザーにとってベストであるかを決定する段階で、引き続き進化していくだろう」(Google)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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