Parallelsは米国時間11月4日、IntelベースのMac上で「Mac OS X」と同時に「Windows」や「Linux」を稼動できる仮想化ソフトウェアの新バージョン「Parallels Desktop 5 for Mac」をリリースした。
Parallelsによれば、Parallels Desktop 5 for Macは旧バージョンの「Parallels Desktop 4.0 for Mac」に比べて最大で300%の高速化を実現しているという。同社はまた、Crimson Consulting Groupに委託してParallels 5の性能テストを行った結果、「MacBook Pro」上で「Windows 7」の64ビット版を稼動させた場合、仮想化市場における最大のライバル企業の製品より22%高速だったとしている。
Parallelsはこのライバル企業の社名を明かさなかったが、Mac向けの仮想化市場はParallelsとVMWareの「Fusion for Mac」が支配しているというのが、一般的な認識だ。
Parallelsの最高経営責任者(CEO)を務めるSerguei Beloussov氏はCNETの取材に対し、Parallels 5 for Macの開発にあたって同社は主に3つの目標を掲げたと述べた。それは高速化、スマート化および簡易化、そして性能強化の3点だ。
Beloussov氏によれば、同社は、新たにマルチタッチ操作に対応したほか、3D機能の対応範囲を拡大するとともに、仮想ハードウェアやドライバをより効率的に処理するようParallelsを最適化することで、これらの目標を達成したという。
Parallels 5ではまた、新たな表示モード「Crystal」を追加した。これは、ユーザーのデスクトップから「Windows」を完全に隠す「Coherence」モードに似ている。だがCrystalでは、Mac OS Xメニューの上部にWindowsのタスクバー項目を追加することで、容易にアクセスできるようになった。
なおAppleも、IntelベースのMacでWindowsを稼動させる手段を提供している。これは「Boot Camp」と呼ばれるものだが、コンピュータの再起動が必要で、Mac OSとWindowsを同時に稼働することもできない。これは多くのユーザーにとって不便かもしれないが、Mac上でWindowsをネイティブスピードで利用できる点は、これまでBoot Campの大きなメリットと考えられていた。これに対しParallelsは、新バージョンではこの点でも上を行っていると述べている。
「ParallelsはBoot Campより高速だ。Windowsの減速は多くの場合、コンピュータ本体の能力の問題ではなく、処理にあたるドライバの問題だ。当社は、最適化された仮想化ハードウェアとドライバを提供することで、高速化を実現する」(Beloussov氏)
Parallels Desktop 5 for Macは、通常版が79.99ドル、アップグレード版が49.99ドルで提供されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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