Mac用仮想化ソフトの最新版「Parallels Desktop 5 for Mac」がリリース

文:Jim Dalrymple(Special to CNET News) 翻訳校正:湯本牧子、長谷睦2009年11月05日 12時29分

 Parallelsは米国時間11月4日、IntelベースのMac上で「Mac OS X」と同時に「Windows」や「Linux」を稼動できる仮想化ソフトウェアの新バージョン「Parallels Desktop 5 for Mac」をリリースした。

 Parallelsによれば、Parallels Desktop 5 for Macは旧バージョンの「Parallels Desktop 4.0 for Mac」に比べて最大で300%の高速化を実現しているという。同社はまた、Crimson Consulting Groupに委託してParallels 5の性能テストを行った結果、「MacBook Pro」上で「Windows 7」の64ビット版を稼動させた場合、仮想化市場における最大のライバル企業の製品より22%高速だったとしている。

 Parallelsはこのライバル企業の社名を明かさなかったが、Mac向けの仮想化市場はParallelsとVMWareの「Fusion for Mac」が支配しているというのが、一般的な認識だ。

 Parallelsの最高経営責任者(CEO)を務めるSerguei Beloussov氏はCNETの取材に対し、Parallels 5 for Macの開発にあたって同社は主に3つの目標を掲げたと述べた。それは高速化、スマート化および簡易化、そして性能強化の3点だ。

 Beloussov氏によれば、同社は、新たにマルチタッチ操作に対応したほか、3D機能の対応範囲を拡大するとともに、仮想ハードウェアやドライバをより効率的に処理するようParallelsを最適化することで、これらの目標を達成したという。

 Parallels 5ではまた、新たな表示モード「Crystal」を追加した。これは、ユーザーのデスクトップから「Windows」を完全に隠す「Coherence」モードに似ている。だがCrystalでは、Mac OS Xメニューの上部にWindowsのタスクバー項目を追加することで、容易にアクセスできるようになった。

 なおAppleも、IntelベースのMacでWindowsを稼動させる手段を提供している。これは「Boot Camp」と呼ばれるものだが、コンピュータの再起動が必要で、Mac OSとWindowsを同時に稼働することもできない。これは多くのユーザーにとって不便かもしれないが、Mac上でWindowsをネイティブスピードで利用できる点は、これまでBoot Campの大きなメリットと考えられていた。これに対しParallelsは、新バージョンではこの点でも上を行っていると述べている。

 「ParallelsはBoot Campより高速だ。Windowsの減速は多くの場合、コンピュータ本体の能力の問題ではなく、処理にあたるドライバの問題だ。当社は、最適化された仮想化ハードウェアとドライバを提供することで、高速化を実現する」(Beloussov氏)

 Parallels Desktop 5 for Macは、通常版が79.99ドル、アップグレード版が49.99ドルで提供されている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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