キヤノンは9月1日、ハイアマチュア向けのデジタル一眼レフカメラ「キヤノン EOS 7D」とレンズとEOS DIGITALシリーズ用のEF-Sレンズの新製品を発表した。いずれも10月2日に発売する。
EOS 7Dは「IMAGE MONSTER」をキャッチコピーとし、画質や機能、使い勝手にこだわるハイアマチュアをメインターゲットに開発した製品だ。APS-Cセンサのカメラとしては、「どこにもない、最高峰の一眼レフカメラ」(キヤノンマーケティングジャパン 代表取締役社長の川崎正己氏)という自信作。
EOS 7Dは、正確な構図やピント合わせが可能な視野率約100%、視野角29.4度、倍率約1.0倍の高性能な光学ファインダー、中央に高精度のデュアルクロスセンサーを搭載した「オールクロス19点AF」、AF情報と色情報を利用して安定した露出を実現する「iFCL(intelligent Focus Color Luminas)測光」など、高度で充実した基本性能を装備している。
約15万回の作動耐久を誇る新開発のシャッターや、水平方向と前後方向の傾きを検出する「デュアルアクシス電子水準器」、強化ガラス採用の3.0型クリアビュー液晶IIを搭載。
新たに開発した約1800万画素のCMOSセンサ(APS-Cサイズ)と高性能映像エンジンを2個装備したデュアル DIGIC 4の採用により、高い解像感と階調性を備えながら、最高約8コマ/秒1の高速連写と約94枚の連続撮影が可能になった。常用設定できるISO感度はISO100から6400。拡張設定によりISO12800まで対応できる。
さらに、「EOS Kiss X3」「EOS 5D Mark II」に続き、3機種目となる動画撮影機能「EOSムービー」も進化した。フルHD(1920×1080画素・30/25/24フレーム/秒)をはじめとする多彩な記録画質に対応するほか、絞り値・シャッター速度・ISO感度を任意で設定できるマニュアル露出での撮影も可能になった。
キヤノン取締役 イメージコミュニケーション事業本部長の真栄田雅也氏は、EOS 7Dの開発にあたり、「ミッドレンジプロジェクト」として、開発と企画、販売が一体となって、社内横断的検討チームを作ったことを明かした。
ミッドレンジプロジェクトは、1.妥協のない基本性能、2.撮影スタイルを広げる先進機能、3.五感に訴える感性品質の3つのコンセプトに基づいているという。ハイアマチュアの意見をもとにして、シャッター音1つにもこだわった「妥協のない製品づくりを目指した」(真栄田氏)と語った。
キヤノンは、一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、家庭用プリンタのいずれの分野でもトップシェアを目指し「デジタルフォトNo.1」をスローガンにして戦っていくという。
キヤノンは、EOS Kissシリーズのヒットによりエントリークラスでは約50%のシェアを持つ。今回のEOS 7Dの投入により、ミドルクラス向けの「EOS 50D」「EOS5D Mark II」とプロ向けの「EOS-1D Mark III」「EOS-1Ds Mark III」の間を埋めるプロダクトとしてラインアップを充実させた。好調なエントリークラスを軸にさらなるシェアを拡大していきたい考えだ。
本体ほか、標準ズームのEF-Sレンズ「EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM」「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS」の2機種と最新の手ぶれ補正機構を搭載した中望遠マクロレンズ「EF100mm F2.8L マクロ IS USM」を発表した。
中でも注目は最新の手ブレ補正方式「ハイブリッドIS」を搭載したEF100mm F2.8L マクロ IS USMだ。防塵・防滴性構造で、マクロだけでなく中望域もカバーする。さらに、通常撮影ではシャッタースピード換算で約4段分、マクロ撮影時に被写体に最も近づいた場合でも約2段分の手ブレ補正効果を実現したという。
今回発表されたラインアップと価格は下記のとおり。WFT-E5B以外、発売はいずれも10月2日。
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