Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏は、6月に復帰して以来、タブレットに注力して活動を続けてきたことが、The Wall Street Journal(WSJ)によって報じられている。
WSJは米国時間8月25日、肝臓移植手術とその後の6カ月に及ぶ療養期間を経て戻ってきたJobs氏が、新たなタブレットのあらゆる分野の監督に当たっており、とりわけ広告マーケティング戦略を重視していると伝えた。
Appleの社員は、Jobs氏が同社を離れている間は製品戦略面でも自由に事を進められたものの、いまやJobs氏の厳しいチェックに直面せざるを得なくなっているという。ある事情に詳しい情報筋によれば、Jobs氏の復帰に合わせて「社内では対応を調整することが求められるようになった」と、WSJは報じている。
Appleのタブレットやネットブック、あるいは大型サイズの「iPod」をめぐっては、実に様々なうわさが飛び交って騒然とした状態になってきた。とはいえ、この新たなデバイスに精通している人々は、その詳細やリリース日に関する情報を一切明らかにしようとはしなかったと、WSJは記している。
だが、業界では多くの人々が、新製品はマルチメディアデバイスであり、インターネットを楽しんだり、映画を見たり、ゲームをプレイしたり、おそらくは電子書籍を読んだりできるようになるとの見通しを示している。そして、その発売時期に関しては、2009年後半もしくは2010年前半と予想されている。
WSJは、Jobs氏自らがタブレットに注力していることこそ、この新たなデバイスが、どれほどAppleにとって重要かを示す1つのサインともなっていると指摘する。2007年に「iPhone」が発表されて以来、Appleは新製品カテゴリのリリースを行っておらず、むしろ既存の「MacBook」やiPod、さらにはiPhoneの性能向上に努める方針を選択してきた。
タブレットの開発は、しばらくの期間に渡って続けられてきた。Appleは、この種のデバイスの特許を2008年に取得している。しかしながら、これまでの設計プロセスは決して順調なものではなかった。Jobs氏は、まずバッテリ寿命の貧弱さを理由に、次にメモリ容量の不足ゆえに、2度に渡って開発プロジェクトの停止を命じたと、この件に通じた情報筋はWSJに明らかにしている。
一方、Jobs氏はWSJに送られた電子メールの中で「大半の情報は誤り伝えられたものでしかない」と記しているものの、(新タブレットの)詳細に関する情報提供はなされていない。あるAppleの関係者も、この件に関してコメントすることを拒否した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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