Microsoftは米国時間7月31日、同社の修正案が欧州側からまだ承認されていないものの、ブラウザを搭載しない「Windows 7 E」の出荷を見送ると発表した。Microsoftはこの修正案で、欧州向けの「Windows 7」にも「Internet Explorer」(IE)をバンドルするが、使用するブラウザをIEにするか他のブラウザにするかをユーザーが選択できる「バロットスクリーン」を表示させる、と説明している。
同社は当初、欧州ではブラウザをまったく搭載しないWindows 7 Eを販売することを提案していた。しかし、欧州の規制当局は、それでは懸念が解消されない可能性があると示唆していた。
これに対してMicrosoftは7月24日、「バロットスクリーン」を採用する用意があることを発表したが、欧州の規制当局がこの計画を承認するまではブラウザなしのWindow 7 Eを出荷すると述べていた。
だが、短期間だけブラウザなしのWindows 7を使用しなければならないのは面倒を招くというPCメーカーからの不満を受け、Microsoftは7月31日、欧州にも他の地域と同じバージョンのWindows 7を出荷することを決定したと述べた。
Microsoftの法律副顧問であるDave Heiner氏は声明の中で次のように述べた。「先週(2009年7月第4週)に状況が進展したことを受け、またコンピュータメーカーとビジネスパートナーからWindows 7 Eに関する意見が引き続き届いていることもあり、当社は欧州でも世界の他の地域と同じバージョンのWindows 7を10月に出荷することを喜んで報告する」
欧州委員会は修正案を受け取った段階で、Microsoftの動きを「歓迎する」と述べていたので、ブラウザをバンドルしたWindows 7を出荷できる可能性について、ある程度の手応えを感じさせた。もし欧州委員会がMicrosoftの提案を受け入れれば、同社は欧州のWindows 7購入者に、提案した通りのバロットスクリーンを提供することになる。
「Windows 7 Eを出荷しないと決定した理由の1つは、コンピュータメーカーとパートナーから寄せられた不安だ。欧州委員会が最終的にバロットスクリーンに関する提案を受け入れ、当社がWindows 7 Eの販売を停止した場合、欧州で出荷するWindowsのバージョンを変更する際の複雑さについて懸念する企業が数社あった。コンピュータメーカーと当社のパートナーはまた、Windows 7 Eを売り出してからすぐ後にIEを含むWindows 7に切り替える事態になれば、消費者は自分のPCにどのバージョンのWindowsを買うべきかについて混乱するおそれがあると警告した」(Heiner氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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