One Laptop per Child(OLPC)のイニシアティブは、模倣は単にお世辞の裏返しではなく、新しいビジネスモデルの土台であるということを学んだようだ。
「TED2009」で講演したOLPCの創設者Nicholas Negroponte氏は、シンプルで耐久性があり、低価格のノートPCを途上国の子どもに届けるというOLPCのイニシアティブは将来、「他の人が同じようなものを構築」できるように、より一般的なつくりに変わっていくだろう、と述べたという。TEDの模様をブログで報告しているEthan Zuckerman氏が記している。
Negroponte氏は、真似はすでにはじまっていると述べ、ここ数カ月のネットブックブームを指摘した。多くの商用PCメーカーが低価格とシンプルなデザインにフォーカスして開発している新しいノートPCセグメントだ。Zuckerman氏によると、Negroponte氏は、「メーカー各社は真似すべきところを間違っているが、このような製品が提供されるようになっている」と述べ、「われわれは、だれもやっていないときに、最初のノートPCを構築しなければならなかった」と続けたという。
OLPCのデザインはスタート当初、ターゲット価格が100ドルだったことから「100ドルノートPC」として知られるようになった。しかし、その後価格は約2倍につりあがってしまい、100ドルの値札は規模の経済性がはたらくのを待つしかなくなった。その一方で、ネットブックが登場する前から、ハイエンドのノートPCは価格が下がっている。
Negroponte氏はハードウェアの設計をオープンソースにして公開し、第三者がコピーできるようにした。Zuckerman氏のブログによると、Negroponte氏は商業マーケットからのプレッシャーを受けたことを「一種の悲劇である」と述べたという。Negroponte氏は、OLPCのノートPCが現在約50万台使用されているのに対し、3年以内には全世界の企業がこのようなPCを毎月500万から600万台量産するようになると予想する。
OLPCはより広い支持を求め、2008年5月には元のLinux版とは別に、Windows版の「XO」ノートPCをMicrosoftと共同開発すると発表した。これはBill Gates氏がCNET Newsに「OLPCはまだそれほど成功していない」と述べた5カ月後のことだった。
OLPCは1カ月前、厳しい経済状況の中、50%の職員を削減し、残った職員の給与を引き下げると発表した。OLPCは、OS「Sugar」の開発をオープンソースコミュニティーに移管することも発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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