一部の人々は、Amazon.comが電子書籍リーダー「Amazon Kindle」を「閉じられた」システムにしていると批判してきた。しかし、Yahoo Financeの報道が正しければ、Kindleはそこまで閉鎖的ではないのかもしれない。Amazon.comは近い将来、Kindle向けに提供される書籍を多くの携帯電話で読めるようにすると、同記事には書かれている。
Amazon.comがKindleで提供される書籍のすべてを携帯電話向けにも提供するのかは、現時点では不明である(「Kindle Store」は現在、23万点の電子書籍を販売している)。Amazon.comの広報担当であるDrew Herdener氏は、同社がKindleで提供される書籍を「さまざまな携帯電話で」利用可能にしようと作業中であるとだけ述べている。
折りしも米国時間2月5日にはGoogleが、「Google Book Search」で利用できる書籍が、「iPhone」や「Google Android」を搭載した「T-Mobile G1」でも閲覧できるようになったと発表している。
また「iPhone」で人気を博している電子書籍リーダーとしては、Lexcycleの「Stanza」やFictionwiseの「eReader」が存在する。しかし、これらのリーダーに対応した書籍をiPhoneで読めるようにするのは、Appleの「App Store」から書籍をダウンロードするのに比べて面倒なのが実状である。そのため、Amazon.comが、Kindle Storeに直結したiPhone用Kindleアプリケーションを開発すれば、LexcycleやFictionwiseは確実に競争を迫られるだろう。
Amazon.comの電子書籍戦略は9日に予定されている発表イベントで明らかになるはずだ。このイベントでは「Kindle 2」が発表されるものと広く予想されている。いずれにしろ、同社が電子書籍の発行と配信によって多くの売り上げを見込んでいることは明らかである。電子書籍ビジネスは、サーバにデータを保存する必要があるだけで、倉庫に多くの棚を必要しないため、コストが(原材料の観点から見れば)抑えられる。
Amazon.comは現在、Kindle版書籍の販売時に作家や出版社から、販売価格の最大65%を得ている。もっとも、大手出版社や有名作家にはこれよりも良い条件が提示されている。
GoogleやAmazon.comの発表から言えることは、電子書籍について見聞きする機会が今後増えていくということだ。そして、もう1つ言えるのは、Amazon.comのKindleにまつわる戦略は単にハードウェアに関するものではなく、ソフトウェアをも包含していることである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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