Macworld Conference & Expoの開催が迫る中、そこで発表される新製品サービスをめぐるうわさで持ちきりである。
Technology Business ResearchのアナリストであるEzra Gottheil氏は、諸事実に基づくニュースではないものの、Appleが、2009年1月に開催されるMacworldにて、低価格の「Netbook」スタイルのMacを発表するとの大胆な予測を、米国時間12月16日に出した。Gottheil氏は、Computerworldに対して、「明確な内部情報に基づいてはいないものの」、Netbookの流行の波に乗り、より低価格のMacを求める人々を満足させるべく、Appleが、小型で低価格のノートPCをリリースするのは確実であると考えていることを明らかにした。
Appleが、Netbookへの参入を計画しているとのうわさは、Appleが、必死になって打ち消そうとしているにもかかわらず、ここ数カ月の間、大いに広まってきた。2008年10月には、最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏が、Appleとしては、「がらくたではない」安価なコンピュータを製造する術を持ち合わせていないとの、あのお馴染みのセリフを述べた後、Appleは、Netbook市場の動向を注視しているものの、現時点では、何も明確な製品を開発しておらず、参入の予定はないと語っている。
Gottheil氏は、他のPCベンダーが、2008年に大幅な値下げを断行し、「急速な成長を遂げている新興市場を含め、非常に価格に敏感な市場から、(Appleを)締め出す」ような状況が見られるようになった現在、Appleも値下げに踏み切らざるを得ないとにらんでいる。また、もしAppleが、App StoreやiTunesなどに対応する、シンプルなインターフェースを備えた、まるでiPhoneのような設計のなされたNetbookスタイルの製品を、599ドルで発表するならば、必ずやヒット商品となるであろうと考えていることも明らかにした。
Netbookの売り上げは伸びているものの、今回のGottheil氏の予測レポートは、どちらかというと事実に近いものというよりは、Macworldの開催前に一斉に出回るうわさの1つに過ぎないようにも見える。2008年第3四半期(7〜9月期)には、約560万台のNetbookが販売されたのみであり、この数字は、必ずしも、Appleが逃してしまった巨大な市場規模を示すものとはなっていない。
また、Netbookというカテゴリのアイデアを生み出したIntelさえ、それが利益を奪いかねない存在であることに気づくやいなや、Netbookを楽観視することを断念するに至っている。Appleは長年、多くの問題を引き起こしかねない、低コストだが低い利益しか生み出さないハードウェア市場へと足を踏み入れさせようとする誘惑に、賢明にも抵抗してきた。もし一度、この業界で低価格という魔物にとらわれ始めるならば、顧客も、毎年のように低価格のコンピュータを期待するようになり、それが企業に利益をもたらすような流れとなることは、決してないだろう。
それでも、過去にJobs氏は、Appleが、(ビデオiPodや携帯電話が最も顕著な例となるものの)特定の製品を現時点でリリースすることはないと述べておきながら、まさにその製品のリリースへと踏み切ったことが何度もあることを忘れてはならない。それにAppleは、Macworldにおいて、何か興味深いものをリリースしなければならない。現在、他にも新型の「Mac mini」や「iPhone nano」をめぐるうわさが、その有力な候補となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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